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下痢になったら血便が出た!そんなときは、あの病気が潜んでいる可能性が…!

下痢になったら血便が出た!そんなときは、あの病気が潜んでいる可能性が…!

井上 肇

聖マリアンナ医科大学 特任教授

井上 肇(いのうえ はじめ)

下痢気味だと思ったら血便が出た!そんな経験はありませんか?
血便が出ると「何か病気が潜んでいるのかも?」と、ひやりとしてしまいますよね。

下痢になったり血便が出たりしても、なんとなくやり過ごしてしまう人もいるかもしれませんが、それは危険です。
下痢や血便には、実は重大な病気が潜んでいる可能性もあるのです。

そもそも下痢が起こる原因は?

下痢はその原因によって、大きく以下の3つに分類されます。

感染性の下痢

最も多いのが、食中毒菌に感染することで感染性の下痢が起こるケースです。
簡単に言えば、食あたりです。風邪による下痢も感染性の下痢に分類されます。
風邪ウィルスが呼吸器に感染すれば咳や鼻水などの症状が出ますが、消化管に感染すると下痢や腹部の症状が起こります。

B型インフルエンザは呼吸器症状よりも下痢や嘔吐などの消化器症状を発症しやすいといわれています。
強い伝染性を持って、集団発生するようなノロウィルスや腸管出血性大腸菌、コレラなど感染症は別にして、単発的に不適切な食品の保存で食中毒を起こす下痢は、ビブリオやサルモネラ菌、一時期話題になった間違ったカレーの保存によるウェルシュ菌感染などが主な原因です。

ストレス性の下痢

仕事や人間関係などでストレスが溜まることで、ストレス性の下痢が起こることがあります。

食事性の下痢

フランス料理や焼き肉など、脂っこい食事が原因で下痢が起こることがあります。
膵臓の脂肪分解能力や腸管からの吸収がもともと弱い人や、高齢になって弱くなった人などは特に食事性の下痢が起こりやすくなります。

下痢と一緒に嘔吐や胃痛の症状が出る?

下痢と一緒に嘔吐や胃痛の症状が出る?

感染性の下痢の場合、腸管に感染している菌を洗い流すために下痢をすることで生体を防衛します。
このとき腸管がいつも以上に激しく運動しているため、その激しい運動に伴い胃痛や嘔吐などの症状が出るのです。
つまり下痢と一緒に嘔吐や胃痛・腹痛が発生した場合は、感染性の下痢の随伴症状と考えて良いでしょう。

血便が出る主な原因は?

感染

ビブリオやサルモネラ菌などに感染して感染性の下痢が起こった場合、腸管が激しく動くことで粘膜の損傷や炎症が起こり、それによって血便が出ることがあります。

大腸がん・大腸ポリープ

大腸がんや大腸ポリープによって腸管の粘膜に腫瘍ができると、腫瘍からの持続的な出血や便が通過する際に腫瘍から出血を伴って、それによって血便が出ることがあります。
大腸がんや大腸ポリープによる血便は、あまり下痢を伴わないことが多いですが、腹部症状が※ほとんどないにも関わらず下痢と便秘を繰り返す時は要注意です。

痔が原因で血便が出ることがあります。
判別は便に血が混ざっていれば血便、便の表面に血液が付着していれば痔に伴った血便です。

実は、日本人の9割が痔を発症していると言われています。
排便時に肛門付近が痛いときは肛門に傷がついている場合が多く、一方で痔核などは自覚症状に乏しく、痔核から出血に伴う血便で気がつく患者さんも多いです。

潰瘍性大腸炎

「潰瘍性大腸炎」は、炎症性腸疾患と呼ばれています。厚生労働省の特定疾患に認定されており、安倍晋三元首相がこの病気で辞任したことは記憶に新しいところです。欧米諸国の人に多いとされる疾患ですが、日本人でも年々、潰瘍性大腸炎に悩む人が増えている傾向にあります。

潰瘍性大腸炎の症状

潰瘍性大腸炎の主な症状は、大腸の粘膜に潰瘍やただれができ、腹痛や下痢、血便などが慢性的に出ることです。重症化すると、発熱や体重減少、貧血なども伴うようになり、皮膚や関節など大腸以外の体の部分にも影響を及ぼすことがあります。

潰瘍性大腸炎の原因

潰瘍性大腸炎は、体内の免疫が自分の大腸を外敵とみなして攻撃することで発症すると考えられています。しかし、その原因は未だ不明な部分が多く、肉食中心の食生活やストレス、寝不足、遺伝などさまざまな要因が関係していると考えられています。

潰瘍性大腸炎は活動期と寛解期がある

潰瘍性大腸炎には、比較的重症化する「活動期」と、軽症な「寛解期」があります。薬物療法によって、寛解期を維持することが可能です。潰瘍性大腸炎と診断を受けたら、しっかりとした専門病院でしっかりと治療を継続し、寛解期に自己判断で治療を中断することのない様に注意が必要です。

その他、大腸癌を伴った血便の可能性もあり、痔による血便でないと判断されたら、速やかに診察と検査を受ける必要があります。

黒っぽい血便が出たらどうする?

ストレスなどが原因で胃や十二指腸に潰瘍ができると、その潰瘍からの出血が便に混ざり、真っ黒な「タール便(黒色便)」が出るケースがあります。
食中毒や食あたりによって黒い便が出ることはありません。

黒い血便は、出血した血液が胃酸や膵液で代謝を受け黒ずむことが原因で、十二指腸よりも上部の消化管(上部消化器と呼びます)が出血を起こしているときです。
十二指腸よりも下の臓器(下部消化器と呼びます)が出血を起こしているときは赤い血便(鮮血便)が出ます。
黒い血便は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、特に胃がんなどが潜んでいる可能性があるので要注意です。

こんなこんな血便は特に危険!

こんなこんな血便は特に危険!

粘液に混ざって血便が出る

血便に粘液が混ざっていた場合は、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の可能性があります。
頻回の下痢と腹痛、血便、そして便に粘液や膿が混ざるという独特の症状を示します。
この潰瘍性大腸炎やクローン病は国の難病にも指定されています。

潰瘍性大腸炎はもともとは欧米人に多く見られましたが、近年日本人の発症率が急激に増えています。

これは穀類を中心とした食生活の日本人が、近年肉食を中心とした欧米型食生活への変化によることが原因ではないかと言われています。
いざ発症すると日本人の方が重症化しやすいとも言われており、大腸がんにつながることもあるので注意しましょう。

大量の出血を伴う血便

大量の消化管出血を伴うと、貧血になってしまうことがあります。
特に胃潰瘍や十二指腸潰瘍で※大出血があり、下血とともに大量吐血を伴い、生命の危機に至る危険性もあります。

発熱を伴う血便

原因はもとより、下痢と血便に伴って発熱、冷や汗、頭痛などの全身症状が伴うことがあれば、危険な状態なのですぐに医療機関を受診しましょう。

子どもに下痢や血便が起こったらどうする?

子どもでも感染性の下痢によって血便を伴うことがあります。
特にO157感染症に代表されます。
子どもの血便は腸重積などを原因とすることもあるので、しっかり鑑別する必要があります。
感染性疾患を伴う場合も急速に症状が重症化することが多いので、素人判断は禁物です。

また、便秘しやすい子が肛門裂傷を起こして血便が出ることもあります。
血便を認めたら、医療機関へ行く前に熱を測り、ドクターが状況を把握できるよう便をビニール袋に入れて持参されると状況が判断しやすいでしょう。

特殊な場合ですが、新生児はビタミンKの不足によって血便が出る場合があります。 ビタミンKは腸内細菌がほとんど作ってくれるので不足することはあまりないのですが、新生児は腸内環境が整っていないため、ビタミンKが不足しがちになります。 近年は医療機関で新生児メレナ(新生児下血)予防のために、ビタミンKのシロップなどが処方されています。

子どもの下痢は脱水症状に注意!

子どもは下痢によって大人よりも脱水が進行しやすいので、たかが下痢と侮らず、すぐに小児科を受診しましょう。
特に子どもは下痢が起こったら、きちんと水分を補給させることを心がけてください。
この時に水だけだと電解質バランスを崩してしまい、かえって脱水を助長してしまうので、スポーツドリンクや麦茶のように電解質(ナトリウムやカリウム)が含まれている飲料がおすすめです。

下痢の予防法は?

下痢の予防法は?

日常的に便通を整える食物繊維や腸内環境を整えるヨーグルト・乳製品、キムチなどの発酵食品を積極的に摂取することも予防につながります。

ストレス性の下痢は、ストレスを溜めずに、発散することが第一です。
心のストレスは消化器に直結しますので、趣味や息抜きの時間を作り心を開放しましょう。
食事性の下痢は、普段の食事に注意しましょう。過脂肪食をさけ、必要に応じて消化促進薬などを服用することも考えましょう。

下痢が起こったときの治療法は?

まずは医療機関を受診して原因を解明しましょう。
大きな病気や伝染病でない場合は、基本的には自宅で治療することになります。

一般的には、絶食して消化器を休ませ、下痢は止めずに下痢による腸内の洗浄効果を期待して便を出し切りましょう。
脱水症状に陥らないように、しっかり水分補給することを忘れずに。
症状が落ち着いてきたら消化の良い食べ物から食べ始めて、しばらくは消化器に負担の少ない食生活を心がけましょう。

また、頻回の下痢は排便時の肛門への機械的刺激、腸液の曝露などで肛門周囲の皮膚がかぶれて痔や肛門周囲炎を誘発することもあります。
※こまめに洗浄するなどして肛門周辺を清潔に保ち、皮膚炎の薬を塗布することも重要です。

下痢に乳酸菌製剤ビオフェルミンは有効?

市販の乳酸菌製剤は、抗生物質と一緒に服用しても、せっかくの乳酸菌が抗生物質によって死んでしまいます。
従って医療機関で抗生物質のみを処方されたからといって、その抗生物質と市販の乳酸菌製剤を一緒に服用しても意味がありません。

ただし医療機関で抗生物質と同時に処方される『乳酸菌製剤』は、抗生物質と一緒に服用しても菌が生き延びることができる特殊な乳酸菌です。
こういった乳酸菌製剤であれば、同時服用は問題ありません。

本来下痢は止めるべき疾患ではないのですが、全身症状を伴わず、日常生活に支障を来たすような状況であれば下痢は止めることも重要です。
『市販の下痢止め』などは、消化管の運動を抑えて下痢と腹部症状を改善してくれるので有効です。

下痢や血便が起こったら、まずは受診を!

下痢や血便には大きな病気が潜んでいる可能性があるので、まずは医療機関を受診するのがおすすめです。

大人は消化器内科や消化器外科など消化器を標榜しているクリニックを、子どもは小児科を受診するのが最も安心です。

特に大量の出血を伴う血便は大きな病気が潜む可能性がより高くなるので、すぐに受診するようにしましょう。

井上 肇

この記事の監修

聖マリアンナ医科大学 特任教授

日本臨床薬理学会 認定薬剤師/日本臨床薬理学会 指導薬剤師

井上 肇(いのうえ はじめ)

星薬科大学薬学部卒、同大学院薬学研究科修了。聖マリアンナ医科大学・形成外科学教室内幹細胞再生医学(アンファー寄附)講座 特任教授及び講座代表。幹細胞を用いた再生医療研究、毛髪再生研究、食育からの生活習慣病の予防医学的研究、アンチエイジング研究を展開している。

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