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フィナステリドの3つの効果をDクリニック東京の脇坂長興先生が解説

脇坂 長興

日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医

脇坂 長興(わきさか ながおき)

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0:04

辻りりささん・Dクリニック東京 脇坂長興先生登場

0:40

フィナステリドの薄毛酵素を抑制とは?

3:08

使い続けることでデメリットはある?

4:18

フィナステリドの性欲減退とはどういった状態?

7:40

どのくらいで効果を感じられる?

11:00

薬を服用していても気づかれない?

※YouTubeページにリンクします

AGA(男性型脱毛症)の治療薬成分として知られるフィナステリド。

このフィナステリドには、「薄毛酵素の抑制」、「性欲減退の可能性」そして「効果の手応えは最低3ヶ月かかる」という、3つの大きな特徴があります。

それらについて、AGA治療の専門医であるDクリニック東京 脇坂長興先生に詳しく解説してもらいました。

フィナステリドについて、正しく学びましょう!

AGAになるとどうして髪が抜けるの?

なぜAGAになると髪が抜けるのか

フィナステリドはAGA治療薬です。

ではなぜ、フィナステリドがAGAに力を発揮するのか。

それを知るには、まず髪の生え変わる周期「ヘアサイクル」と、「AGAの発症メカニズム」を理解する必要があります。

ヘアサイクルを理解する

人間の髪の毛はずっと伸び続けるわけではなく、平均5年ほどで成長が止まって抜け落ちます(個人差があり2年〜7年)。

新たな髪が、古い髪を押し出すように生えてきます。この髪の毛の「抜け毛・発毛」のサイクルを「ヘアサイクル」といいます。

日本人の頭部には、10万本ほどの髪が生えているといわれています。

そして、1日に100本程度の抜け毛がありますが、その分1日に100本ほどの髪が新しく生えてくるので、トータルでの毛量が維持されているのです。

AGAの発症メカニズムを理解する

AGAは簡単にいうと、「テストステロン」という男性ホルモンが、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という抜け毛ホルモンに変化し、その抜け毛ホルモンが、髪の毛を抜けさせてしまうという症状です。

正常なヘアサイクルが保たれているなら、髪の本数は変わりません。

しかし、抜け毛ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)が活発に活動すると、状況は一変します。

「抜け毛ホルモンが毛根に『抜けろ』と指令を出すと、本来は5年伸び続ける髪が、伸びる前に抜け落ちてしまうんです。新しい髪が生えてきても、また早く抜けてしまう。それが何回も繰り返されるうちに、だんだんと産毛のような髪しか生えてこなくなってしまいます。これが、AGAの症状です。」と、脇坂先生は解説します。

フィナステリドの特徴(1)薄毛酵素の抑制

テストステロンが薄毛酵素によって抜け毛ホルモンに変わる

AGAは、上述したように男性ホルモンのテストステロンが抜け毛ホルモンと言われるジヒドロテストステロン(DHT)に変化し、そして毛根に「抜け毛になれ」と指令を出すことによって起こります。

実は、テストステロンは自然にジヒドロテストステロン(DHT)に変わるわけではありません。

「II型5αリダクターゼ」という「薄毛酵素」がテストステロンに作用することで、ジヒドロテストステロン(DHT)に変わります。

つまり、この薄毛酵素がなければ、抜け毛ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)は作られず、AGAも発症しないことになります。

「その酵素が存在している場所が、実は前頭部から頭頂部にかけてなんです。多くの男性がその部分の薄毛に悩まされるのは、そういった背景があります。」(脇坂先生)

フィナステリドには、この抜け毛酵素の働きを止めて、抜け毛の進行を抑制する作用があります。その特徴こそ、フィナステリドがAGA治療薬である最大の理由です。

なお、フィナステリドは食物から摂取することはできません。投薬が唯一の方法です。

フィナステリドの副作用は心配ない?

フィナステリドは、医師が発行する処方箋が必要な医療用医薬品です。

長期間使用することを考えると「副作用が少し心配…」と不安になる人がいるかもしれません。

脇坂先生によれば、「長く飲むお薬であっても、体の中に蓄積されない薬であれば、副作用の危険性はそれほど気にする必要はありません。」と、言います。

フィナステリドの成分は、24時間ほどでほとんど体外に排出されます。また、1週間もすれば、完全になくなります。

「例えば、高血圧症の治療薬は、血圧が上昇して血管が破裂しないために飲むから、体を健康に保つことができるわけです。それと同じで、長期間にわたって使用する方といって、危ないお薬だと考える必要はありません。」(脇坂先生)

フィナステリドの特徴(2)フィナステリドは性欲が減退する?

フィナステリドは性欲が減退する?

AGA治療薬のフィナステリドには、副作用がいくつかあります。そのひとつが「性欲減退」です。

脇坂先生は「フィナステリドでAGA治療をしている患者さんのうち、1%未満の方に精液量の減少・勃起力の低下が見られます。また、5%未満の方に性欲の減退の症状が見られます。」と、解説します。

なぜフィナステリドで性欲が減退するのか

脇坂先生によれば、フィナステリドの性欲減退の副作用は、フィナステリドの作用を見れば説明がつくそうです。

「フィナステリドには、男性ホルモンのテストステロンが、抜け毛ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)に変化することをブロックする作用があります。この抜け毛ホルモンも男性ホルモンの一種なので、体内の男性ホルモンの総量は減少しませんが、男性ホルモンの一種である抜け毛ホルモンは減少するわけです。その影響から、精液量の減少や性欲減退などの症状が起きてくると考えられています。」(脇坂先生)

ただし、フィナステリドによる制欲減退には個人差があり、「性欲が全くなくなる」ということはほとんどありません。

また、制欲減退はある程度の年齢になれば、どんな男性でも大なり小なり起こるものです。

ですから、性欲の減退がすべてフィナステリドの副作用によるものかどうかは、ハッキリとは分かりません。

その性欲減退、本当にフィナステリドが原因?

果たして、あなたの性欲減退がフィナステリドによるものなのか?

「それを確かめたい時は、一時的にフィナステリドの服用を止めてみましょう。フィナステリドは1週間ほどで完全に体外に排出されます。ですから、服用を止めて1週間を経過しても性欲が戻らない場合は、性欲減退はフィナステリド以外が原因の可能性があります。」(脇坂先生)

なお、フィナステリドによる性欲の減退の対策として、精力剤等を使用しても、特に問題はないそうです。

フィナステリドの特徴(3)効果の手応えは最低3ヶ月かかる

枕の抜け毛でフィナステリドの効果を確かめる

薄毛に悩んでいる人にとって、フィナステリドの効果は「1日も早く実感したい」と思うものです。

しかし、あまり功を焦ってはいけません。

なぜなら、フィナステリドの効果の手応えは、少なくとも3ヶ月はかかるからです。

脇坂先生は、次のとおり説明します。

「フィナステリドは、積極的に髪を生やすお薬ではなく、AGAで抜けようとしている毛を『抜けるな』と、引きとどめるお薬です。『生える』ではなく『抜けない』効果なので、すぐに手応えを感じづらいのです。」(脇坂先生)

本来、AGAによって抜けていた髪が抜けなくなり、成長することで薄毛が解消されます。

それを実感するには、髪がある程度成長するまで待つ必要があります。ですから、3ヶ月ほどは必ず必要なのです。

「少し髪が伸びたのかな」と感じるまでには、半年ほどかかります。そして、次第に「あれ、そういえば抜け毛が少ないぞ」「髪の毛がなんだか増えた気がする」といった実感が、じわじわと湧いてくるのです。

これは「周りの人から気付かれにくい」という点では、メリットでもあります。

抜け毛の減少を確認する方法

フィナステリドによる抜け毛減少の手ごたえは、具体的にどうすれば認識できるのでしようか。

それは、抜け毛の本数を数えるのが、いちばんストレートな方法です。

ただ、髪を洗ったときの抜け毛は、その日ごとのコンディションが違うので平均値を取ることが困難です。

脇坂先生は「夜に髪を洗って就寝し、起床したとき、枕に付いている抜け毛の本数をチェックするのが、いちばん確実な方法です。」と、アドバイスします。

続けて、
「今まで10本あった枕の抜け毛が、2、3本だけになったら、明らかにフィナステリドの効果といえます。」(脇坂先生)

もう一つの方法は、
「髪をセットするときの感覚です。フィナステリドの使用前と使用後で「髪をセットする時間が短くなったと感じるなら、これも手応えです。」(脇坂先生)

まとめ

最後に脇坂先生は「実は、美容先進国と言われる国では、20歳ごろから服用している人もいるほどです。20歳を過ぎると抜け毛を気にする人も少なくないと思います。まずは、お医者様に相談してみるのも良いのではないでしょうか」と、アドバイスします。

男性にとって薄毛や抜け毛は、若々しく充実した生き方をする上で、非常に重要な問題です。

AGAの治療は、何よりも早めに取り掛かることが大切です。「最近、髪の毛が薄くなってきたかな?」と不安を感じたら、まずはAGA(薄毛)治療専門のクリニック に相談してみてはいかがでしょうか。

脇坂 長興

この動画の解説者

日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医

日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医/日本美容医療協会会員/特定非営利活動法人F.M.L.理事/医療法人 翠奏会理事長/聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師

脇坂 長興(わきさか ながおき)

1962年生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。
同大学病院の形成外科で skin rejuvenationを研究。
方法論よりも患者様が一番良くなる治療を提供することが 形成外科医の使命であると考えている。

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