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口唇ヘルペスはナゼできる? 夏のヘルペスにも要注意

口唇ヘルペスはナゼできる? 夏のヘルペスにも要注意

口内炎にはさまざまな種類がありますが、中でも人から人へ感染し、一度感染するとウイルスが一生体内に住みつくという厄介なものがあります。
免疫力が低下すると発症しやすくなるその厄介な口内炎こそ、「口唇ヘルペス(こうしんペルペス)」です。
風邪の時期だけでなく、実は紫外線量が多い夏にも発症が多いといわれています。
そこで今回は、口唇ヘルペスの基礎知識と対処法、予防のポイントについてご紹介。

口唇へルペスとは?

ウイルスが原因で起こる口内炎の一種で、「ヘルペス性口内炎」とも呼ばれます。唇や口の周りにできる疱疹(ほうしん)で、単純ヘルペスウイルスの感染が原因の疾患。
ちなみにヘルペスとは疱疹のこと。小さな水疱(水ぶくれ)や膿疱(うみがたまった状態)が集中的に群生して発生した状態をいいます。

感染の経緯って?

人間に感染するヘルペスウイルスには8種類あり、口唇ヘルペスは「単純ヘルペスウイルスⅠ型」の感染によって発症します(単純ヘルペスウイルスⅠ型は日本人の70~80%が感染されているといわれている、とても身近なもの!)。

ヘルペスウイルスには、【一度感染すると、その後ずっと人のからだに住みつく】特徴があります。口唇ヘルペスは幼少期に家族間でウイルス感染して以降、潜伏感染している場合が多く、健康時は発症しません。
しかし、【風邪や疲労、体調不良、ストレスなどで免疫機能が低下】すると潜伏するウイルスが暴れ出し、再発を繰り返すというのが特徴。また、【強い紫外線】を浴びることでもウイルスが再活性化し、再発することも。

ちなみにそんな口唇ヘルペスは、水ぼうそうのように飛沫感染することはありません。【皮膚や粘膜が直接ヘルペスと接触】することで、人から人へ感染します。

口唇へルペスの主な症状と進行

・唇や口の周りに、ピリピリ、ムズムズ、チクチクといった違和感があり、部分的に赤く腫れあがります。その後、小さな水ぶくれがいくつか出現。水ぶくれがかさぶたになり、きれいになくなるまでに2週間ほどかかる、というのが一般的な経過です。

・先に触れたように、口唇ヘルペスは治っても再発を繰り返す人が多い疾患です。発症のほとんどがこの再発型で、唇に違和感があると気づいた時点で再発の兆しがわかることも多いといいます。

口唇ヘルペスの症状

乳幼児の感染には要注意

乳幼児の感染には要注意

口唇ヘルペスの初期感染は生後6ヶ月~3歳くらいの幼少期が多く、親や祖父母からの頬ずりやキスなどによる【接触感染】という経路が多いといわれています。感染したことに気づかない場合もありますが、人によっては高熱と強い痛みを伴う重い症状になることもあるため、注意が必要です。

また、親である自分が口唇ヘルペスを発症しているときは、免疫機能が未発達な赤ちゃんや子どもへの頬ずりやキスを控えるうえ、自分の使用しているお箸で食べ物を与える、食べかけの食事や飲み物を分け与えるなど、【唾液を介する行為も避ける】ようにしましょう。

なお、核家族化が進んでいるといわれている現代では、幼少期に感染する機会が減っているという説も。成人してから初期感染した場合も、発熱や頭痛、倦怠感など重症化する可能性があるため注意が必要です。

口唇へルペスの対処法

・「口唇ヘルペスかな?」と思ったら、患部に直接触れないようにし、初期段階で医療機関を受診するのがベスト。治療は基本的に、受診時の症状を軽減するための対症療法で、主に抗ヘルペスウイルス薬(抗ヘルペスウイルス剤)が使用されます(ウイルスの増殖を防いでくれるもので、飲み薬から塗り薬まで形状も多種類あります)。
※くれぐれも、水ぶくれは破らないようにしましょう。破れると細菌感染も加わり、まれに跡が残ってしまうことも。

・口唇ヘルペスに伴う痛みや発熱も、投薬によって【2週間ほどで治まる】といわれます。病院で完治が認められるまでは、他人に感染させてしまう恐れがあるため、子どもの場合、治るまで幼稚園や保育園を休み、外出を控え、家の中で過ごすようにしましょう。

・また、あくまで口唇ヘルペスの再発治療が目的のものですが、市販薬もあります。

・単純ヘルペスウイルスは感染力が強く、直接的な接触のほかに、ウイルスがついたタオルや食器を介しても感染します。特に症状が出ている間はウイルスを大量に放出しているため、【タオルや食器は共有しない】ように注意してください。また、傷口を刺激し、痛みが増すため【刺激の強い食べ物や熱い食べ物、濃い味つけのものを摂らない】ようにするとともに、【水分をこまめに補給】することも大切です。

口唇ヘルペスは、こんなときに再発しやすい

口唇ヘルペスは、こんなときに再発しやすい

【風邪】【ストレス】【疲労】などが誘因に。
また、【月経前】や【紫外線を浴びたとき】も再発しやすいといわれています。心当たりのある方は、普段から下にご紹介する予防法をチェック。

口唇ヘルペスの予防のポイントは?

・ からだの抵抗力・免疫力を高めること
日頃から【栄養バランスの良い食事】を取り、【ストレスの少ない生活】を心掛ける、【十分な休息・睡眠を取る】といった基本を忘れずに。アルコールやタバコもビタミンを壊すので、控えることをおすすめします。【風邪を引かないように気をつける】ことも、もちろん重要です。

・ビタミンB群の補給も意識
口内炎の緩和に特に効果的といわれるのが、ビタミンB群。特に、“発育のビタミン”といわれる【ビタミンB2】は皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをしており、不足すると皮膚や粘膜の発育・成長が阻害されるといわれています。毎日の食事で不足しがちな場合は、サプリメントなどで摂取するのも1つの方法です。

・日頃から身の回りのものを清潔な状態に保つ
【タオルや食器、歯ブラシなどの洗面用具】を常に清潔にしておき、人の唾液に触れたりすることもないように心掛けましょう。

・なるべく紫外線を浴びないようにしよう
【日焼け止め】を肌に塗る、【帽子】をかぶる、【UVカット機能のあるリップクリーム】を使うなど、口周りにも紫外線対策&保湿ケアを忘れずに。

アトピー性皮膚炎の方も注意が必要です。皮膚のバリア機能が低下しているため、皮膚から簡単に感染して広範囲に広がり重症化する恐れがあるため、気をつけましょう。

「疲れがたまっているとき、口唇ヘルペスが再発しやすい」と感じている女性も多いのではないでしょうか。リップメイクを思いのまま楽しむこともできず、残念な気持ちになりますよね。実際、女性の口唇ヘルペスの再発率は、【男性の3倍】にもなるといわれています! これには生理が密接に関係。生理前は免疫力が下がる時期で、単純ヘルペスウイルスも再活性化しやすくなってしまうそう。この時期はいつも以上に自分の心身をいたわることに関心を向け、十分な休息を取るようにしましょう。

(文・大津礼保奈)

参考文献 美容皮膚科学事典(朝田康夫/中央書院) ヘルペス(武田コンシューマーヘルスケア)

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