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花粉症の時期になると、のどがイガイガする。その原因とは?
花粉症によるのどのイガイガの対策と予防方法を解説します。
のどが痛くなる、かゆみやのどが詰まる、のどが腫れるなどのトラブルがあった場合、さまざまな原因が疑われます。そのトラブルの原因から、主なものを解説します。
空気の乾燥は、のどの健康の大敵です。のどや鼻の内部には粘膜があります。この粘膜の粘液は、細菌やウイルス、アレルギー原因物質などの異物が付着し、粘膜の下にある線毛運動により体外に異物を排除します。しかし空気が乾燥すると粘膜のはたらきが弱くなり、異物が侵入しやすくなります。
体にアレルギーを発生させる物質を「アレルゲン」と呼びます。アレルゲンは非常に多くの種類があり、体質によって反応するアレルゲンも異なります。代表的なアレルゲンとしては、花粉やハウスダストなどが知られています。これらのアレルゲンは非常に小さいため、簡単にのどや鼻に入り込んで付着し、アレルギー症状を引き起こします。
ウイルスや細菌は、風邪などの症状を引き起こす直接的な原因となります。ウイルスや細菌がのどや鼻から体内に侵入すると、風邪などの初期症状の代表例として、のどがイガイガしたりします。
ウイルスや細菌の多くは、のどや鼻の内部の粘膜上の粘液に異物が付着し、粘膜の下にある線毛運動により体外に異物を排除します。しかし空気が乾燥していたり、喫煙習慣などによって粘液層が薄くなったりしていると、異物を排出するための線毛運動が十分に機能せず、細菌やウイルスを排出できず感染が生じてしまうのです。
喫煙や過度のアルコール摂取によって、のどがイガイガする場合もあります。
タバコの煙には、一酸化炭素などのガスや、ニコチンやタールといった粒子成分を含んでいます。これらの成分は、体に悪い影響を与えるとされています。
またお酒では、お酒の成分であるアルコールが粘膜の炎症を引き起こす場合があります。度数の強いお酒を習慣的に飲んでいると、いつも粘膜がダメージを受けている状態になり、結果、のどを痛めることになります。
大声を出したり、長時間歌い続けるなど、のどを酷使する行為は、のどの炎症を引き起こす可能性があります。その症状として、のどがイガイガする場合があります。
上記で解説した通り、のどのイガイガにはさまざまな原因があると理解していただけたと思います。その中でも、春や秋といった“季節の変わり目”にのどのイガイガを感じたら、まず花粉症を疑いましょう。
花粉症は、草花の花粉がアレルゲンとなって引き起こされるアレルギー症状です。花粉症は1年間を通して発症するものですが、中でも多くの人を悩ますのが、春のスギやヒノキ、秋のブタクサなどの花粉を原因とする花粉症だからです。ここでは、花粉症について詳しく説明していきましょう。
花粉症とは、その名の通り、花粉がアレルギーの原因物質となって引き起こされるアレルギー症状です。医学用語では「季節性アレルギー性鼻炎」と言いますが、その症状は目や鼻、のどなどに現れます。
代表的な花粉症の原因植物には、2月〜4月にピークを迎える「スギ」、その後の3月〜4月に襲来する「ヒノキ」があります。日本での「花粉症」患者は、主にこの2つの原因植物に悩まされているのが実情です。
しかし、他にも花粉症を発症させる原因植物は少なくなく、日本では60種類ほども存在すると言われています。特に秋頃には、ブタクサの花粉症に悩まされる人が増加傾向にあります。
環境省の「花粉症環境保健マニュアル」によれば、2008年の調査でアレルギー性鼻炎全体の有病率は39.4%、花粉症全体の有病率は29.8%となっています。
そもそも、花粉症とは何なのでしょうか。
アレルギー症状は、アレルギー原因物質(アレルゲン)に対して起こる、異物反応です。
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉がアレルゲンとなり、アレルギー症状を引き起こします。
人間の体は、体外から侵入する異物を「敵」とみなし、それに対抗しようと抗体を作ります。これを「IgE抗体」と言い、花粉に接触するごとにIgE抗体が作られます。これが一定以上蓄積されると、ヒスタミン、ロイコトリエンといったアレルギー誘発物質が放出され、くしゃみや鼻水などのアレルギー反応が起きるのです。
花粉症とはまったく無縁だった人が、ある日突然、花粉症になる場合があります。それはつまり、体内に蓄積されたIgE抗体が、一定以上蓄積されてしまったからなのです。
花粉症の症状は、主にのどや鼻、目などに現れます。特に、鼻の症状に現れる「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」は、花粉症の3大症状と言われます。目には、目のかゆみや目やにの増大などの症状が現れます。
花粉症になると、のどのイガイガや痛みを訴える人も多くなります。
鼻とのどはつながっています。鼻の粘膜にある線毛が、粘膜の上の異物をのどに輸送します。つまり鼻から流れてくる花粉で、のどが炎症を起こす場合があるのです。
また、厄介なのは鼻づまりです。鼻づまりを起こすと自然に口呼吸が多くなり、のどが乾燥しやすくなり、のどの粘膜を傷つけてしまいがちです。これも、のどのイガイガや痛みにつながります。
のどのイガイガやくしゃみ、鼻水、鼻づまりといった花粉症の症状は、風邪の症状とも似通っています。では、風邪と花粉症の違いは、どんなところにあるのでしょうか。
簡単に、解説しましょう。
花粉症の原因は、アレルギー原因物質(アレルゲン)の花粉です。
それに対して風邪の原因となる病原体は、ほとんどがウイルスといわれています。
ウイルスにも、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルスなどさまざまなウイルスがあります。
ウイルスなどの病原体が気道粘膜に付着して体内に侵入し、増殖して発症します。
風邪、花粉とも、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状が見受けられます。しかし、特徴により見分けられるケースもあるので、風邪か花粉症かを見分ける一つのサインになります。
・風邪 :頻繁には出ますが、連続して出ることはあまりありません。
・花粉症:発作のように何度も連続で出ることが少なくありません。また「モーニングアタック」といって、朝方に多く出る傾向があります。
・風邪 :初期はサラサラしていますが、次第に粘り気のある黄色い鼻水に変化する傾向が多いです。
・花粉症:透明でサラサラした状態が長く続きます。
・風邪 :普通は数日間続きますが、症状回復とともに鼻づまりもなくなります。
・花粉症:花粉の季節が終わるまで継続します。
・風邪 :イガイガや痛みが腫れを伴って発症する場合が多いです。
・花粉症:イガイガや痛みは出ることがありますが、風邪に比べると軽いものです。腫れはありません。
・風邪 :38度程度の微熱が出ることが多いです。38度以上の高熱が出る場合は、感染症の可能性があります。
・花粉症:ほとんど熱が出ることはありません。
とはいえ、花粉症で体調を崩し、風邪を併発しているような可能性もあります。体調に異変を感じた時は、しっかり休養するようにしましょう。
花粉症の対策と予防を、解説します。症状が改善しない時は、医師の診察を受けることをお勧めします。
花粉症をきっかけに体調を崩し、免疫力が低下すると他の病気にもかかる可能性があります。
花粉症は、そもそもアレルギーの原因物質(アレルゲン)である花粉が体内に取り込まれることから起こる症状です。花粉症の根本原因である花粉から遠ざかることは、もっとも有効な花粉症対策と言えます。
マスクを着用し、のどや鼻から吸引する花粉の数を減らしましょう。ただしマスクの表面には多数の花粉が付着しますので、不用意にマスクの表面を触ったりつまんだりしないようにしましょう。
いくら窓や扉を閉め切って花粉をシャットアウトしていても、外出時に着用した上着などの衣類や帽子には、大量の花粉が付着しています。帰宅時は玄関前で花粉をはらうなど、花粉を持ち込まないよう注意しましょう。
花粉が多く飛散している室内なら、空気中の花粉を除去する空気清浄機が有効です。また、空気中に飛散している花粉は、空気中の湿度が高いほど床に落ちやすくなるため、加湿器を併用するか、加湿機能が備わった空気清浄機の使用をおすすめします。なお、これにより前途した「モーニングアタック」の軽減にもつながります。
うがいをすると、鼻からのどに流れてきた粘膜に付着した花粉を取り除くことが期待できます。風邪の予防にもなるので、外出から帰ってきたらうがいをしましょう。
乾燥した室内で過ごすと、のどの粘膜の機能を低下させる原因になります。空気の乾燥に気をつけ、加湿器などで適度な湿度を保ちましょう。また、のどが乾燥しやすい口呼吸は意識して控えましょう。特に注意するべきは、就寝中の口呼吸です。
花粉情報に注意しながら、飛散の多いときは外出を控える。外出時にはマスク、メガネなどを使用する。帰宅時には衣服や髪をよく払ってから家に入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
花粉症でのどのイガイガがある場合、のどに負担がかかると症状が悪化する可能性があります。大声を出したり、カラオケに行き過ぎたりしないようにしましょう。
一酸化炭素などのガスや、ニコチン、タールといった粒子成分を含むタバコの煙は、のどにとって良いわけがありません。
またお酒は、アルコールが粘膜の炎症を引き起こす場合があります。
どちらも、花粉症で機能が弱っているのどに更なるダメージを与えかねないので、控えるようにしましょう。
寝る時間や食事時間がバラバラだったりして規則正しい生活を送れないと、自律神経の乱れにより免疫力が低下し、花粉症の症状を悪化させる原因になります。定時にしっかりとした睡眠をとりましょう。
運動不足が続くと、身体・心の健康状態が低下し、それにより新陳代謝の低下につながる可能性があります。それによって免疫力が低下し、花粉症の症状が重くなる可能性があります。適度な運動は免疫力の向上はもちろん、ストレス発散にもなります。
私たちの体を形作るものは、食事から摂取する栄養です。栄養バランスの良い食事をとることは、健康の大前提です。
また花粉症の対策には、腸内環境を整え、免疫力を高める効果が期待できる食べ物が良いとされています。腸内環境を整える乳酸菌や食物繊維、免疫の調整力があるビタミンDが豊富な食べ物に注目しましょう。
いかがでしたか?
今回のコラムでは、
・のどのイガイガは花粉症にかかっている可能性がある
・花粉症は花粉を原因物質とするアレルギー症状
・風邪と花粉の症状は類似しているが違う部分もある
・花粉症には対策方法がある
などのことを解説しました。もし、のどにイガイガがあるなら、ぜひ参考にしてください。
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