[公開日]
2021/03/22
[最終更新日]
2021/10/20

低血圧だとフラフラするのはどうして?メディカルチェックスタジオ 院長の知久正明先生が解説

目次

【タイムスケジュール】
0:03​ 海里さん登場
0:07​ メディカルチェックスタジオ 知久正明院長 登場
0:20​ 血圧とは?
1:00​ 低血圧はどういう状態?
1:30​ 女性のほうが低血圧になりやすい?
2:00​ 雨の日は低血圧になりやすい?
2:48​ 低血圧の種類は?
3:25​ ふらつきイラつきは低血圧のせい?
4:38​ 今回のおさらい

はじめに

血圧は、人の健康を判断する一つのバロメーターです。中年以降になると、生活習慣病の影響で高血圧に悩む人が増加します。

しかし逆に、低血圧に悩む人も少なくありません。特に若い女性は、「今日は低血圧で…」と、血圧の低さが日頃の心身のコンディションに影響しやすいと言われています。

低血圧のメカニズムや、体に及ぼすリスク、低血圧の改善方法などを解説します。

血圧とはそもそも何なのか

血圧を測定する血圧計

そもそも血圧とは、文字そのままの「血の圧力」ということ。さらに詳しくいえば、「動脈にかかる圧力」です。

私たちの体に流れる血液は、生命活動に必要な栄養素や酸素を、体の隅々にまで送り届ける役割を担っています。そして、動脈を通して血液を送り出すポンプが、心臓です。

心臓は、常に収縮と弛緩の運動を繰り返し、血管に圧力をかけて血液を送り出しています。このとき、心臓から送り出された血流が血管の内壁を押す力が「血圧」なのです。

心臓にかかる圧力を直接測定するのは困難なため、血圧計を用いて腕の血管にかかる圧力を測定し、心負荷の程度を推測しています。

血圧の単位は「mmHg(ミリメートル・エイチジー)」と呼ばれています。「Hg」とは水銀のことで、「水銀を何ミリ垂直に押し上げる力があるか」という意味があります。例えば、水銀を120mm垂直に上げる圧力がある血圧は、120mmHgとなります。

【血圧には2つの数値がある】

血圧の数値には、「収縮期血圧」と、「拡張期血圧」の2種類があります。

収縮期血圧は、心臓がぐっと押し込まれて収縮した状態の血圧です。もっとも高い圧力がかかっているため、「上の血圧」とも「最高血圧」ともいわれます。

拡張期血圧は、逆に心臓が伸び切った、弛緩した状態の血圧です。もっとも圧力がかかっていないため、「下の血圧」とも「最低血圧」ともいわれます。

低血圧とはどのような状態なのか

低血圧は血圧の測定値が低い状態

よく「私は低血圧だから」「私は高血圧だから」という人がいますが、低血圧や高血圧の基準は数字的に、ある程度定まっています。

正常な状態の人の血圧は、収縮期血圧でおおよそ100mmHg〜120mmHg前後とされています。正常値の収縮期血圧の高さの限界は130mmHgと言われているので、130mmHgよりも高い人は、高血圧とされます。収縮期血圧が100mmHg未満の人は、低血圧といわれます。

また、拡張期血圧で見る場合、正常値は60mmHg〜80mmHgで、90mmHgよりも高い人は高血圧とされ、60mmHg未満の人は低血圧といわれます。
収縮期血圧もしくは拡張期血圧のどちらか、あるいは両方が正常値を下回ると、低血圧とされます。

ただし、低血圧の基準は、高血圧の基準ほど重要視されない傾向があり、医師の判断も異なる場合があります。一つの目安として、WHOが定める世界共通の低血圧の基準は、収縮期血圧が100mmHg以下、拡張期血圧が60mmHg以下としています。

【血圧は一定ではなく不安定なもの】

人の血圧は、常に一定の数値で推移しているわけではありません。起床から就寝まで、日常生活のさまざまなきっかけはもちろん、精神的なストレスなどによっても、血圧はある程度変動することが知られています。

血圧の推移を正しく知りたい場合は、毎日決まった時間に、同じ環境で測定することが大切です。

低血圧はどのような症状が出てくるか

めまいは低血圧の代表的な症状

血圧とは、前項で説明した通り「血管を押し出す力の指標」です。低血圧は、高血圧ほど治療の緊急性が少ない症状であるとされています。

しかしそれでも、血圧の低下によって体に十分な血液がめぐりにくくなるわけですから、体内の臓器等に送られる血液の量が減少し、臓器の“栄養不足”によって、体にいろいろな不具合が出てくるようになります。その状態が継続すると体に負荷がかかることから、さまざまな病気を引き起こすきっかけにもなるので、注意が必要です。

【低血圧の症状】

低血圧の代表的な症状としては、以下のものが挙げられます。

・めまい
・動悸、息切れ
・頭重
・ふらつき、立ちくらみ
・意欲の低下
・手足の冷え
・足のむくみ

【女性の方が低血圧になりやすい?】

低血圧に悩む人は、男性よりも女性の方が多いというイメージがあります。それは本当です。ただし、どうして女性の方が低血圧になりやすいのかという原因は、まだ解明されていないのが現状です。

特に、若い女性は、低血圧になりやすい傾向にあります。そして年齢を重ねていくうちに、その幅は段々と男性と同等になっていきます。

ただし「男性は低血圧にならない」というのも間違いで、男性でも血圧が低い人も存在します。

【雨の日に低血圧になりやすいというのは本当?】

雨の日に低血圧になりやすいというのは、本当です。

雨の日は、気圧が下がっている状態です。すると、外気から体が受ける圧力が弱まり、血管が拡張しやすくなります。そして、血管を押す力が弱くなり、結果的に血圧が下がってしまうのです。

低血圧になりやすい人の中に「雨の日は調子が悪い」と悩む人が増えているのは、決して「天気が悪いと気分が晴れない」という心理的な要因だけではないのです。

気象によって体調が変化する病気を「気象病」と言いますが、低血圧はまさに気象病の1つと言うことができます。

片頭痛などの症状を起こしやすい人は、特に気象の変化による低血圧に注意が必要です。

低血圧の原因と種類を知ろう

低血圧になると血管の血流量が減少する

【低血圧の原因】

血圧が下がって低血圧になるのには、主に2つの原因があることが分かっています。

【低血圧になる原因(1)遺伝要因】

低血圧になる原因としては、お父さんやお母さんの遺伝的な体質を引き継いでいる可能性があります。そのため、ちょっとした原因で血圧が低くなる傾向にあるのです。

【低血圧になる原因(2)血流が悪い】

自律神経が乱れたり体調が悪かったりして血流が悪い状態に陥ると、血を押し出す力が弱くなるため、低血圧の症状を引き起こします。

【低血圧の種類】

低血圧には、大きく3つの種類があることが知られています。

【低血圧の種類(1)急性低血圧】

急に血圧が下がる血圧状態を指します。その原因は、アレルギーによるアナフィラキシーショックや、けがによる大量の出血、心筋梗塞等の心機能低下が引き起こすものなど、さまざまです。

また、空腹状態でアルコールを摂取して血管が拡張し、急激に血圧が低下する場合もあります。

急性低血圧は、何が原因なのかを見極め、適切な処置や治療を行うことが大切です。

【低血圧の種類(2)慢性持続性低血圧】

慢性的に血圧が下がる状態にある状態です。遺伝などの体質による「体質性低血圧」は、常に低血圧の状態ですが、健康上問題になるほどの症状が出ることはあまりありません。

明らかな原因が判然とせず、慢性的に低血圧な場合は「本態性低血圧」と呼ばれます。糖尿病や内分泌疾患などの疾患が隠れている場合もあるので、注意しましょう。

【低血圧の種類(3)起立性低血圧】

急に立ち上がった時などに急激に血圧が下がり、立ちくらみなどを起こす状態の低血圧症状です。下半身に溜まっていた血液が心臓に戻りにくくなるために起こるといわれています。

起立性低血圧には、自律神経が関係しているといわれます。

【低血圧の人はフラフラしやすい?】

低血圧は、体をめぐる血流が悪い状態にあります。すると脳にめぐる血流も少なくなったり、体がうまく動けないことによってふらふらしたりすることもあります。

ただし、自律神経の乱れなどによって低血圧が引き起こされる場合もあるので、ふらつきを起こす「そもそもの原因」が、低血圧の裏に潜んでいる可能性もあります。

雨の日ではなくても、立ちくらみやふらつき、イライラしがちな時がある場合は、単に低血圧が原因ではないかもしれません。

睡眠不足や運動不足、ストレスの蓄積など、体のバランスが乱れている時に自律神経が乱れやすいので、何が不調の原因なのかを調べてみることをお勧めします。

低血圧を予防・改善する方法は?

適度な運動や生活習慣の改善で低血圧を改善!

【低血圧を予防・改善する方法(1)生活習慣を改善する】

不健康な生活を送り続けていると、自律神経の乱れや体力の衰えなどで血流が悪くなり、低血圧を引き起こしがちです。規則正しい生活習慣を送り、栄養バランスの良い食事をし、質の高い睡眠を十分に取りましょう。

【低血圧を予防・改善する方法(2)適切な運動習慣】

ウォーキングやストレッチといった軽い運動を継続して行いましょう。体が活性化し、血のめぐりが良くなることで、低血圧が予防・改善されます。

【低血圧を予防・改善する方法(3)ストレスを軽減する】

ストレスを過度に溜め込んでいる状態は、自律神経の乱れによって低血圧を引き起こすリスクが高くなります。また、そもそものストレスの作用も重なり、余計にイライラしたりしてしまうことになります。

ストレスを完全になくすことは難しいですが、趣味を充実させたり、好きなことに時間を費やしたりしてストレスを軽減すれば、低血圧のリスクも少なくなります。

まとめ

いかがでしたか?
低血圧は、高血圧ほど敏感になるほど健康リスクは高くありません。しかし、それでも立ちくらみやイライラを起こしやすくなど、日常生活に支障をきたす場合もあります。

低血圧で悩んでいるなら、適切な予防と対策で低血圧を克服し、生活の質の向上に努めることをお勧めします。

知久 正明

この相談の回答者

知久 正明(ちく・まさあき)

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

【略歴】

東京都出身、1994年日本大学医学部卒業、2000年日本大学医学部大学院修了

国立甲府病院、国立循環器病センター、日本大学医学部循環器内科、敬愛病院付属クリニック院長を経て、
2017年12月からMCS東京銀座クリニックを開業

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック 院長

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