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食欲不振の陰に病気あり! 見過ごせない体からのSOS

食欲不振の陰に病気あり! 見過ごせない体からのSOS

知久 正明

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック 院長

知久 正明(ちく・まさあき)

人間の三大欲求の一つに数えられる食欲。これがなくなってしまうと、体調を崩すことは医学的な知識のない人にだってわかることです。では、どういった原因で食欲不振に陥ってしまうのか。具体的にどんな問題が起きてしまうのか。

そんな食欲不振にまつわるお話を、メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニックの知久正明先生に聞きました。

食欲不振の陰には病気が潜んでいる!?

誰でも一度は、「なんだか今日は食欲がないな」と思ったことはあるでしょう。しかし、次の日に普通に食事ができるようなら、これは食欲不振には入りません。

「食べる気がしない」「食べられない」という状態が何日も続くようなら、それは注意が必要です。
私たちが生きていく上で必ず必要な「食べる」という欲が失われているわけですから、これは何かしらの不調を示すバロメーターなのです。

食欲不振に陥る場合、多くはその陰に病気が潜んでいます。

例えば、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性・急性胃炎、最悪の場合は胃がんなど、消化器系の疾患が挙げられます。 胃腸は食べることと直接関わりがある臓器ですから、一般の方でもイメージしやすいと思うのですが、それ以外に心臓や肝臓、腎臓などほかの臓器の病気が食欲不振を引き起こしていることも考えられます。

内臓疾患以外にも食欲不振の原因はある

胃腸やほかの内臓の病気以外にも食欲不振の引き金になるものがあります。
よくストレスが原因だと考える人もいますが、ストレスそのものでは食欲不振にはなりません。ストレスが内臓の不調を引き起こしたり、うつ病や不安神経症のような精神的な問題を起こしたりしたときに食欲不振になるのです。

つまり、ストレスがなくなって食欲が戻ったとしても、体の中に病気が残されている可能性があるわけですから、注意が必要です。

また、「毎年、この時期に食べる気がしない」という人もいると思いますが、季節的なものとして最も大きな理由は寒暖差でしょう。大きな寒暖差が自律神経を乱し、食欲を奪ってしまうのです。

ほかに、女性の場合は生理にともなうホルモンバランスの変化で食欲を失うこともあります。これは食欲中枢に刺激が加わるためで、たくさん食べたくなったり、食欲が落ちたりするものです。しかし、これは病気ではありませんので、さほど心配する必要はありません。

食欲不振とともに起きる症状も不調のサイン

食欲不振そのものも問題ですが、その原因となっている病気によって、さまざまな症状が一緒に起こることがあります。

吐き気や下痢があるから胃腸障害と決めつけるのはよくありません。胃腸以外の病気でも吐き気を催すことがありますし、大腸炎など胃腸の不調などで下痢になることもあるからです。

ただ、嘔吐や下痢は悪いものを体の中から追い出そうとする防御反応です。食中毒やお酒を飲み過ぎたときを考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。
そういった反応が、出すものがないはずの食欲不振時に起きるということは、およそ正常な機能ではありません。

食欲不振の原因を自分で特定することは難しいので、食欲のない日が数日続いたり、嘔吐や下痢をともなったりするようであれば、すぐに病院に行くようにしましょう。最初から大きな病院に行かなくても大丈夫ですので、まずはかかりつけのお医者さんに診てもらうといいでしょう。

極端な体重減少には最大級の警戒を!

極端な体重減少には最大級の警戒を!

食欲不振にともなう嘔吐や下痢は、体の不調を示すサインだとお話ししましたが、それ以上に危険なのが極端な体重減少です。
食べていないのですから、体重が減ることは当たり前なのですが、明らかにそれを上回るペースでやせていってしまうことがあるのです。

当然、なんらかの病気によって起きている症状で、ひどいケースだと1日に1キロや、1週間で2~3キロも減ってしまうことがあります。

とくに、日常的に顔を合わせている家族や同僚に「やせたんじゃない?」と言われるのは危険信号です。そういう場合は、速やかに病院に行きましょう。

また、やせるやせないで言うと、ダイエットが食欲不振の引き金になることもあります。
ダイエットそのものは意識的に食べる量を減らすので食欲不振には入りません。しかし、それがストレスになって自律神経に悪影響を与え、本当の食欲不振になってしまうことがあります。ダイエットは欲を抑えつける作業になりますから、過度に行うことは体に良くないので注意しましょう。

体を送る不調のサインを見逃すな!

食欲不振の陰には、病気が隠れていることがほとんどですが、例外的に服用している薬の副作用で食欲が落ちてしまうこともあります。痛みどめなどが胃腸の動きを悪くしてしまうことがあるのです。
しかし、その薬がないと別の不調が出てしまうということが考えられますので、勝手に自分の判断でストップせずに、医師に相談してください。

ダイエットや薬の服用などの事情がない限り、食欲不振は体からのSOSサインがといえます。「ちょっと食べたくないだけだから」と甘く見ずに、数日続くようなら病院に行くことをおすすめします。

知久 正明

この記事の監修

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック 院長

医学博士

知久 正明(ちく・まさあき)

東京都出身、1994年日本大学医学部卒業、2000年日本大学医学部大学院修了

国立甲府病院、国立循環器病センター、日本大学医学部循環器内科、敬愛病院付属クリニック院長を経て、
2017年12月からMCS東京銀座クリニックを開業

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