スムージーを使ってダイエットにトライする人も少なくありません。不足しがちなビタミンや食物繊維などを補うには、スムージーの利用はおすすめです。でも、3食スムージーに変えてしまうといったかなり無理なプランニングに走る人も少なくないようです。最終回の今回は、せっかく体にいいスムージーの間違った使い方を浜中先生に指摘してもらいました。
ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が入っているスムージー。そんなことから栄養価が高いと思っている人が多いようです。でも、残念ながら三大栄養素の中の“タンパク質”と“脂質”が極端に少ないのが弱点です。
このタンパク質と脂質は、太るもとと思って摂らない女性もいますが、それは大きな間違いです。タンパク質も脂質も重要な美肌の原料になります。さらに、このふたつの栄養素がきちんと摂れていないと、脂肪燃焼作用も落ちてしまうのです。簡単にいえば、きれいにやせることができなくなります。
「でも、タンパク質と脂質を摂らないでスムージーだけでやせたけど」という人は、単に摂っているカロリーが少ないため、”やつれた”だけともいえるのです。
きれいにやせるには、肉や魚、大豆などのタンパク質、魚の油やオリーブオイルなどのいい油の摂取は重要なのです。
第1回目でもお話しましたが、スムージー飲みどきは朝です。昼や夜は、肉や魚などのタンパク質をきちんといただきましょう。逆に食べることで、代謝アップにもつながって痩せやすい体を作ることができます。
さらに、昼夜は、しっかり噛みごたえがいいものをプラスしましょう。
スムージーブームから、飲んで済む食事に慣れてしまって、朝も昼も夜も、スムージーやジュース、スープといった液体の食べ物ばかり摂っている人が少なくないようです。液体の食べ物は摂りやすく、胃腸にやさしいイメージがありますが、咀嚼が少ないのがデメリットです。噛むことで脳が活性化したり、消化酵素を出して胃腸の働きを促してくれるのです。
スムージー以外の食事は、素材を大きくカットするとか、五穀米など噛みごたえがある素材をプラスするなど工夫をするといいでしょう。
この記事の監修
浜中 聡子(はまなか さとこ)
ウィメンズヘルスクリニック東京 院長・医学博士
ウィメンズヘルスクリニック東京(旧AACクリニック銀座)院長。医学博士。米国抗加齢医学会(A4M)専門医、国際アンチエイジング医学会(WOSAAM)専門医、米国先端医療学会(ACAM)専門医などの資格を多数取得。心身両面からのケアで「ウェルエイジング」を提唱し臨床現場に立つ