1.症状
髪が薄い父親、母方の祖父も薄い……。
と、身近に薄毛の人が多いと「いずれ自分も来るかも……」と密かに心配している人も多いはずです。円形脱毛症ではないいわゆる男性の薄毛の代表格“男性型脱毛症(AGA)”の場合、遺伝的なもので、「あらがうことはできない……」とあきらめ気味になっている人が多いようです。
2.原因
遺伝は大きな要因。研究から母方の家系から受け継いでいることがわかっています。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
でも他にも世界中で薄毛に関する研究や調査が行われています。その中でとても興味深い研究がありました。それは、遺伝子がほとんど同じ双子で喫煙習慣・食生活・飲酒歴などが薄毛にどんな影響を与えているのか調べたものです。
その結果、太り気味の人(肥満度を示すBMI値が高い人)は標準からやせ形体型の人に比べて、薄毛になりやすい人が多いということがわかってきました。ただ、現段階では肥満=薄毛になるとははっきりとは言い切れない段階ですが、台湾の調査でもメタボの人は薄毛になりやすいという結果もあり、肥満やメタボは何かしら薄毛に関わっている可能性が考えられるのです。
他には、喫煙習慣がある人は、薄毛に影響するとも言われています。
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薄毛になりやすい遺伝子を持っている人が、肥満やメタボになるような生活習慣や喫煙習慣を送っていれば、薄毛の進行を加速してしまう可能性があるかもしれません。
さらに海外の研究では、薄毛の人はそうでない人と比べて心臓疾患が多い、というデータもあります。そう考えると、薄毛が進行するだけでなく、肥満やメタボな生活を送っていれば、他の病気を誘発してしまうことも考えられます。
だからこそ、薄毛予防としても、健康面でのエイジングケアとしても生活習慣を見直すことが大事なのです!
ストレスは、薄毛を進行させるだけではなくさまざまなホルモンに影響を及ぼす可能性があります。
睡眠不足もホルモンを過剰に分泌させてしまいます。しかも、夜寝ているときに、体にいい影響を与えるホルモンが分泌されるので、しっかり寝ることは必須です。7時間睡眠を目標にしましょう。
食生活も重要です。肥満やメタボにならないようにダイエットをすることも大事ですが、無理なダイエットは逆効果。最近、男性でも短期間で過度なダイエットをする人が多く、これが抜け毛の原因になっていることも多いのです。
肉や魚。大豆などのタンパク質に、“亜鉛”をプラスするといいでしょう。不足気味の人が多いので、意識的に摂るといいでしょう。亜鉛の一日の所要量は、成人男性12mg、成人女性9mg。目安としては、カキフライなら1日2個程度。
他にも色々な食材があるので、詳しくはこちらの記事を参考にしてください
亜鉛は、髪はもちろん爪や肌もイキイキ元気にするので、エイジングケアには欠かせない栄養素なのです。
冬場になると肌が乾燥します。男性でも保湿ケアが必要になる季節です。これは頭皮も同じこと。頭皮と顔はつながった肌です。乾燥した肌はバリア機能が低下し肌荒れが起こります。それと同じように頭皮も乾燥すると頭皮にダメージが出る場合もあります。
これからの季節は、シャンプーで頭皮をやさしく洗浄した後は、ヘアトニックなどで乾燥ケアしてあげることも大事です。
さらに、マッサージも血行アップやリラックス効果のために重要です。でも、刺激はやさしく。頭皮と顔はつながった肌なのですから、肌をいたわるようにやさしいタッチで頭皮をマッサージしてあげましょう。
【マッサージのポイント】
①指で、両側の耳の上から円を描くように上に向かってまんべんなくマッサージ
②時折、地肌を軽く押さえ、ゆっくり離します
心地よいと感じる強さで繰り返すことが大事です。リラックスできるケアを心がけましょう
この記事の監修
小山 太郎(こやま たろう)
医学博士 NPO法人フューチャー・メディカル・ラボラトリー理事 日本抗加齢医学会専門医 慶應義塾大学医学部卒業。同大学院で骨格筋再生の研究 Brigham and Women’s Hospital(Harvard Medical School)で遺伝子治療の研究に従事。
現在は頭髪外来の診療とともに、毛髪研究に取組み、治療にも生かしている。