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亜鉛が足りないと、肌荒れや味覚障害が起こるって本当?

脇坂 長興

この記事の監修

日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医/日本美容医療協会会員/特定非営利活動法人F.M.L.理事/医療法人 翠奏会理事長/聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師

脇坂 長興(わきさか ながおき)

亜鉛が足りないと、肌荒れや味覚障害が起こるって本当?

「亜鉛不足」「亜鉛欠乏症」などのキーワードを、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 「亜鉛が不足すると何となく体に悪そう…」ということは分かっていても、具体的にどんな悪影響があるのか、そしてどうすれば亜鉛不足を解決できるかを知らない人は多いはず。

今回はなぜ亜鉛が必要なのか、そして亜鉛が不足してしまう理由などを紹介します。

 

そもそも亜鉛とは?

亜鉛は私たち人間が生きる上で欠かせない必須ミネラルの一種です。
タンパク質の合成や骨の発育にも必要となる、非常に重要な栄養素です。
新陳代謝を活発にしたり、免疫力を高めたり、DNAやRNA遺伝子の合成にも関係すると言われています。

亜鉛は体内で生成することができない!

亜鉛は体の中で作ることができないため、食事等を通じて外から摂取するしかありません。
1日に摂取する亜鉛の理想量は、厚生労働省によって「成人男性は約11mg、成人女性の場合は約8mg(妊婦の場合は+2~3mg)」と制定されています。

最近の日本人の一般的な食生活は、1日の亜鉛摂取量は平均9mgにも満たないと言われています。
特に若い女性の摂取量は、わずか6.5mg程度というデータもあるようです。
このことから、近年の日本人は全体的に亜鉛不足の傾向にあると言えるでしょう。

亜鉛が不足する理由は食生活にある

亜鉛が不足する理由は食生活にある

本来であれば理想的な亜鉛摂取量は、普段の食事で十分にクリアできる数値だと言われています。
しかし亜鉛は他の物質と結合することで体に吸収されにくい状態になったり、調理や加工方法によってその成分が失われる可能性があるのです。

そのため、インスタント食品やファーストフードなどの加工食品を多く食べている人は亜鉛が不足しがちです。
また過度なダイエットで食事量をセーブしている人や、食事内容が偏っている人も亜鉛不足に陥る確率が高くなります。

乳児に亜鉛が不足している場合は、食生活に問題があるわけではなく、先天的に亜鉛を吸収できる量が少ないことが原因である可能性が高いでしょう。

亜鉛を摂取できる食材は?

亜鉛を摂取できる食材は?

亜鉛を豊富に含む食材は、牡蠣、うなぎ、牛肉、チーズ、レバー、卵黄、アーモンドやカシューナッツなどが代表的です。

特に牡蠣は1粒当たり約10mgの亜鉛が含まれていると言われており、牡蠣を2粒も食べれば1日に必要な亜鉛を摂取できてしまいます。
ただし牡蠣鍋などに調理した場合は、亜鉛の成分がスープに溶け出してしまうので、できるだけスープまで飲むようにするのがベターです。

 

亜鉛はサプリメントで補える!

亜鉛はサプリメントで補える!

食品によって亜鉛を摂取しようとしても、調理や加工の段階で成分が損なわれてしまうことがあります。
また、必ずしも亜鉛を含む食材を毎日十分に摂取できるとは限りません。

そんなときには、亜鉛をサプリメントで摂取するのがおすすめです。
亜鉛サプリメント自体も最近は種類が増えていますし、亜鉛以外をメインにしたサプリメントに亜鉛が含まれていることもあります。

サプリメントを選ぶ際には、亜鉛の含有量をチェックするようにしましょう。1日あたり30mg程度の亜鉛を摂取できるサプリメントをセレクトするのがベターです。

亜鉛が不足すると肌荒れや味覚障害が発生!

亜鉛が不足すると肌荒れや味覚障害が発生!

それでは、亜鉛が体内から不足すると具体的にどのような症状が出るのでしょうか。

●肌荒れ
亜鉛が不足することによって肌の新陳代謝が低下し、ターンオーバーが乱れることで肌荒れが発生します。
ターンオーバーが乱れるとメラニン色素を正常に排出できなくなるので、シミができやすくなることもあります。

 

●爪が薄くなる
亜鉛が不足すると、肌だけでなく、皮膚の延長である爪にも影響が出てきます。爪が割れやすくなったり薄くなってきたりした場合は、亜鉛が不足している可能性があります。
「亜鉛サプリメントを飲んでいるけれど、効果が出ているのか分からない…」と思っている人は、爪の様子を観察してみると良いでしょう。
爪の伸びが速くなったり爪が丈夫になったと感じたりした場合は、サプリメントが効果を発揮しているのかもしれません。

●味覚障害
私たちの舌には味蕾(みらい)と呼ばれる味覚受容器があります。
ここが食べ物の味を感知して脳神経に味を伝えています。
味蕾には亜鉛酵素がたくさん分布しているので、亜鉛が不足すると味蕾の機能が損なわれてしまい味覚障害が発生します。

●お酒が弱くなる
体内に摂取したアルコールを分解するためには亜鉛が必要です。
亜鉛が不足して上手くアルコールを分解できなくなると、いつもより少量のアルコールで酔いがまわってしまうことがあります。

●子どもの発育不全
亜鉛はタンパク質や骨を作る上で欠かせない成分なので、亜鉛が不足すると子どもの発育工程に悪影響が出ることがあります。

その他にも、亜鉛不足によって傷の治りが遅くなる、抜け毛が増える、夜盲症になる可能性もあると言われています。

亜鉛が不足した場合の治療法は?

 

亜鉛が不足している場合、「●科に行ってどんな治療を受けるべき」というマニュアルはありません。食生活の改善やサプリメントの摂取などによって、亜鉛を体に補えるように努力することが大切です。

ただし、もし亜鉛不足によって医療機関を受診した場合は「硫酸亜鉛」という内服薬を処方されるのが一般的です。
硫酸亜鉛は味覚障害の治療でも処方されることがあります。また、医療機関によっては硫酸亜鉛が処方されず、亜鉛酵母や亜鉛サプリメントを飲むように指導されることもあります。

「亜鉛を摂りすぎると体に悪い」は嘘

厚生労働省では亜鉛の耐容上限量を1日当たり60~65mgと設定しているようです。

亜鉛をサプリメント等で大量に摂取すると、胃酸が過剰に分泌されて吐き気を催すことがあります。そんなときは食事の時間とサプリメント等の摂取時間を短くするように調整してみましょう。

長期間にわたり亜鉛の摂取量が多すぎると、銅の欠乏が起こる可能性があります。亜鉛が吸収されるぶんだけ、銅の吸収が悪くなってしまうのです。銅が欠乏すると、貧血が発生することがあります。「貧血=鉄分不足」と判断されがちですが、実は亜鉛の過剰摂取によって銅が不足することで、貧血が起こっているケースもあるのです。

上記のような懸念点があるので、長期間大量のサプリメントを飲み続けている人は注意しましょう。ただし1日の耐容上限量以上を摂取したからといって、必ずデメリットがあるとは限りません。亜鉛は上限を意識しすぎず、積極的に摂取することを心がけた方が良いかもしれません。

亜鉛が私たちの体にどう関わっているのかを理解していただけたでしょうか。これからは亜鉛にも着目しながら、食生活を見直してみてはいかがでしょう。

 

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脇坂 長興

この記事の監修

脇坂 長興(わきさか ながおき)

【略歴】

1962年生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。
同大学病院の形成外科で skin rejuvenationを研究。
方法論よりも患者様が一番良くなる治療を提供することが 形成外科医の使命であると考えている。

【経歴】

1989年 3月 聖マリアンナ医科大学医学部卒
1989年 5月 聖マリアンナ医科大学病院(形成外科)
1990年 2月 聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院(麻酔科)
1995年 4月 聖マリアンナ医科大学助手(形成外科)
1996年 6月 聖隷浜松病院(形成外科)
1998年 4月 聖マリアンナ医科大学講師(形成外科)
2000年10月 脇坂ナカツクリニック開院
2011年 6月 脇坂ナカツクリニックを梅田に移転
         Dクリニック大阪 メンズ(旧脇坂クリニック大阪)、
         Dクリニック大阪 ウィメンズ(旧脇坂ウィメンズヘルスクリニック大阪)に名称を変更
2021年 1月 Dクリニック大阪 メンズ、Dクリニック大阪 ウィメンズの理事長に就任

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