• 投稿日:2022/06/16 
  • 更新日:2022/10/28 

ザガーロカプセル(デュタステリド)について

AGAに効果がある治療薬「ザガーロ」とは?

ザガーロカプセル(デュタステリド)について

AGA(男性型脱毛症)の治療には、主に「プロペシア錠」と「ザガーロカプセル」の2種類の内服薬が用いられます。ここでは「ザガーロカプセル」の特徴・効果・副作用などについてご説明します

コンテンツ

目次

ザガーロカプセル(デュタステリド)とは

ザガーロカプセルは、一般名ではデュタステリドと呼ばれる成分を含むAGA治療薬です。まずは、ザガーロカプセルがどのようなAGA治療薬なのかをご説明します。

頭頂部や生え際が薄くなるAGAに効果的な治療薬

ザガーロカプセルは、2015年に厚生労働省から認可されたAGA治療薬です。 プロペシアに次ぐ第二のAGA治療薬として注目されています。また、プロペシアがAGAの原因である「5αリダクターゼⅡ型」に作用するのに対し、ザガーロカプセルは「5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型」両方を阻害するため、効果の高さも期待されています。

前立腺肥大症治療薬として世界中で普及

ザガーロとは

ザガーロカプセルの有効成分デュタステリドは、もともと前立腺肥大症の治療薬として開発され、世界中で普及していました。日本でも「アボルブカプセル0.5mg」として、2008年に製造販売承認を取得しています。その後、デュタステリドがAGA治療にも効果的であると考えられ、ザガーロカプセルの開発が進められました。

効果・効能・作用・期間

次に、ザガーロカプセルの効果・効能・作用・期間などについてご説明します。

ザガーロカプセル(デュタステリド)の効果・効能

AGAは進行性の脱毛症です。主に頭頂部や生え際から毛髪が薄くなっていき、治療をしなければどんどん症状が悪化していきます。AGAは、男性ホルモン「テストステロン」が「5αリダクターゼ」と呼ばれる還元酵素の働きによって「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されることで発症します。この悪玉男性ホルモンであるDHTが、毛母細胞の働きを抑制することで、抜け毛が増えたり、髪の毛が十分に成長しなくなったりするのです。ザガーロカプセルには、5αリダクターゼの働きを抑える効果があるため、DHT抑制効果も期待でき、結果として薄毛や抜け毛を改善する効果が見込まれます。

ザガーロカプセル(デュタステリド)が作用するタイプ

5αリダクターゼには、Ⅰ型とⅡ型の2種類があります。ザガーロカプセルは、このどちらのタイプにも作用するため、高いAGA治療効果が期待できます。対してプロペシアは、5αリダクターゼⅡ型にのみ作用します。どちらのAGA治療薬が適しているかは、患者様一人ひとりによって異なるため、どちらの治療薬が優れているかなどは、一概にはお答えできません。

ザガーロカプセル(デュタステリド)が作用する期間

ザガーロカプセルの服用を始めてから、発毛効果を感じるまで、半年から一年程度かかると言われています。プロペシアは、服用後3ヶ月から半年程度で効果を感じることが多いため、それに比べると、ザガーロカプセルの効果を実感するのには時間がかかります。これは、ザガーロカプセルが作用するヘアサイクルが関係しているので、短期間で効果を感じなくても、経過を観察しながら、服用を続けることが重要です。

ザガーロカプセル(デュタステリド)の半減期について

半減期とは、薬を飲んでから血液中の成分濃度が半分になるまでの期間のことです。ザガーロカプセルは半減期が長いことが特徴で、およそ2週間と言われています。それに対しプロペシアの半減期は、服用から6〜8時間程度です。ザガーロカプセルのほうが、有効成分が体内に留まる時間が長いため、より持続した効果が期待できると考えられています。

ザガーロカプセル(デュタステリド)の主成分

ザガーロカプセルの主成分は、デュタステリドです。もともと、前立腺肥大症の治療薬として使用されていました。デュタステリドは、一般名としても浸透しているため、ザガーロカプセルのことをデュタステリドと呼ぶ場合もあります。

当院の処方・価格

ザガーロカプセル
アドバンスト発毛治療 初診(税込) 2回目以降(税込)
初診費:5,500円
検査費:5,500円
合計:11,000円
再診費:5,500円
お薬代:11,000~29,700円
合計:16,500円~35,200円
単剤処方治療 初診(税込) 2回目以降(税込)
初診費:5,500円
お薬代:6,600~10,450円
(1ヶ月分)
合計:12,100~15,950円
再診費:5,500円
お薬代:18,700~30,250円
(3ヶ月分)
合計:24,200円~35,750円

当院の診察代は上記の通りです。積極的な発毛を目指す「アドバンスト発毛治療」では、ザガーロカプセルを含む内服薬をはじめ、ミノキシジルなどの外用薬も併用して、発毛治療を行います。また、薄毛の進行を抑制する「単剤処方治療」では、患者様に適した内服薬を主に処方します。ザガーロカプセルは、1箱に30錠入っており、価格は10,450円(税込)です。

補足説明

AGA治療薬には、専門クリニックの処方薬以外にも、市販で購入できる様々な種類があります。しかし、個人輸入などの通販で購入すると、値段は抑えられますが、偽物を購入してしまう可能性があります。偽物の治療薬を服用した場合、期待する治療効果が得られないだけでなく、思いがけない副作用が生じる危険性があります。AGA治療を、安心・安全に行なうためには、信頼できるクリニックで適した治療薬を処方してもらいましょう。AGA治療は、患者様にあった治療薬を、用法・用量を守って服用することが重要です。

他薬品との違い

ザガーロカプセルと他のAGA治療薬の違いをご説明します。

プロペシア(フィナステリド)との比較

ザガーロカプセルは、プロペシアと同様「5αリダクターゼ」の働きを阻害します。ザガーロカプセルとプロペシアは、作用する5αリダクターゼのタイプと、半減期の長さが違います。ザガーロカプセルは「5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型」に作用し、プロペシアは「5αリダクターゼⅡ型」に作用します。また、ザガーロカプセルの半減期(血中の有効成分濃度が半分になる期間)は約2週間、プロペシアの半減期は6〜8時間です。これらの違いから、ザガーロカプセルのほうがAGAの原因に対して幅広く対応でき、体内に有効成分が長く留まるため、高い治療効果が期待されています。ただし、ザガーロカプセル・プロペシアのどちらが効果的かは、患者様一人ひとりによって異なるため、一概にどちらの治療薬が優れているとは言えません。

ミノキシジルとの比較

ミノキシジルは、発毛効果が期待される外用薬です。頭皮に使用する塗り薬なので、内服薬と併用できます。ザガーロカプセルなどの内服薬で抜け毛を抑制し、発毛効果を高めるためにミノキシジルを使用するのがおすすめです。内服薬と外用薬を併用することで、より高いAGA治療効果が期待できます。

ザガーロカプセル(デュタステリド)のジェネリック

国内の正規ザガーロカプセルジェネリック医薬品は、現在販売されておりません。対して、プロペシアにはジェネリック医薬品が存在し国内品の「フィナステリド錠」として、ファイザー・サワイ・トーワなどから販売されています。また、プロペシアのジェネリックとして、インドの製薬会社から「フィンペシア」が販売されています。しかし、このフィンペシアは、価格は安いですが、日本では未承認のため、通販などで購入するのはおすすめできません。

経過・症例写真

34歳   M型   薄毛歴:1年  

職業:会社員

  • AGA治療例:34歳/M型/薄毛歴1年/会社員/初診時
  • AGA治療例:34歳/M型/薄毛歴1年/会社員/10ヶ月後

Before  ▶︎▶︎▶︎  After

初診時

4ヶ月後

10ヶ月後

AGA治療例:34歳/M型/薄毛歴1年/会社員/10ヶ月後

【治療内容】アドバンスト発毛治療
【治療価格】35,200円(税込)
【副作用】 この治療により起こる可能性がある副作用:頭皮のかゆみ・肝機能障害・リビドー減退など

39歳   MO型   薄毛歴:8年  

職業:会社員

  • AGA治療例:39歳/MO型/薄毛歴8年/会社員/初診時
  • AGA治療例:39歳/MO型/薄毛歴8年/会社員/6ヶ月後

Before  ▶︎▶︎▶︎  After

初診時

3ヶ月後

6ヶ月後

AGA治療例:39歳/MO型/薄毛歴8年/会社員/6ヶ月後

【治療内容】アドバンスト発毛治療
【治療価格】35,200円(税込)
【副作用】この治療により起こる可能性がある副作用:頭皮のかゆみ・肝機能障害・リビドー減退など

当クリニックでザガーロを使用された患者様の症例です。
積極的な発毛治療「アドバンスト発毛治療」によって、初診時よりも毛髪の増加が確認できます。
当クリニックでは、カウンセリングの際に写真を撮影し、治療の経過や効果などを、その都度確認させていただきます。
また、患者様のご希望や毛髪の状態によって、適した治療方法をご提案するため、高い発毛効果が期待できます。

服用方法と注意点・副作用

ザガーロカプセルを服用する際の注意点や副作用についてご説明します。

ザガーロカプセル(デュタステリド)の副作用

ザガーロカプセルの添付文書に記載されている副作用などをご説明します。

  • ・肝機能障害
  • ・黄疸
  • ・勃起機能障害
  • ・射精不能
  • ・射精障害
  • ・乳房肥大
  • ・気力の低下
  • ・むくみ
  • ・体毛の脱毛
  • ・多毛症
  • ・初期脱毛

これらの副作用が生じる確率はそれほど高くはありません。しかし、症状が悪化するようであれば、医師にご相談ください。

ザガーロカプセル(デュタステリド)服用時の初期脱毛について

ザガーロカプセルを服用することによって、初期脱毛が生じる可能性があります。ザガーロカプセルは、乱れたヘアサイクルを正常化し、薄毛を改善します。このヘアサイクルが整う際に、十分に成長できなかった毛髪が押し出され、新しい髪の毛が生えてきます。そのため、一時的に髪の抜ける量が増えるのです。初期脱毛は、ザガーロカプセルが効いている目安となるため、過度なご心配はいりません。ほとんどの場合、2ヶ月程度で初期脱毛は治ります。

ザガーロカプセル(デュタステリド)を服用できない人

ザガーロカプセルを服用できない方は下記の通りです。

  • ・女性
  • ・子供
  • ・肝機能に重度の障害をお持ちの方

医療機関でザガーロカプセルを処方できるのは「20歳以上のAGAである男性」のみとなります。あらかじめご了承ください。

よくある質問

最後に、ザガーロカプセルのよくある質問についてご説明します。

ザガーロカプセル(デュタステリド)が効かない・効果なしと言われるのはなぜですか?

ANSWER

ザガーロカプセルの効き目を感じないと言われる理由としては、下記の3つが挙げられます。
・効果を感じられなかったので服用をやめる
・効果を感じ始めたので服用をやめる
・頭皮環境や日常生活に気を配らない生活をしている
ザガーロカプセルは、効果を感じるまでに半年から一年程度かかると言われています。効果を実感するまでに時間がかかるため、途中で服用をやめてしまう方が多いのです。反対に、効果を感じたことで、服用をやめる方もいらっしゃいます。ザガーロカプセルは継続して服用することが重要なので、自己判断での服用中止は避けましょう。また、ザガーロカプセルを服用していても、頭皮環境が悪かったり、食生活などが乱れたりしていると、髪の毛の健康にも悪影響を及ぼします。ザガーロカプセルだけに頼らず、頭皮環境や日常生活も改善するようにしましょう。

ザガーロカプセル(デュタステリド)服用時に注意するべき飲み合わせはありますか?

ANSWER

・リトナビル等CYP3A4阻害作用がある薬
上記の薬を服用している場合は、医師に相談してください。

ザガーロカプセル(デュタステリド)には耐性がありますか?

ANSWER

ザガーロカプセルに耐性がつくという医学的根拠はありません。

プロペシア(フィナステリド)からザガーロカプセル(デュタステリド)に切り替えることは可能ですか?

ANSWER

プロペシアからザガーロカプセルに切り替えることは可能です。プロペシアで効果を感じにくい場合などは、医師に相談してみても良いでしょう。

ザガーロカプセル(デュタステリド)の服用によってポストフィナステリド症候群のような症状は起こりますか?

ANSWER

プロペシアの服用をやめたあとも、プロペシアの副作用が生じることを「ポストフィナステリド症候群」と呼びます。ザガーロカプセルにもこのような症状があるのではないかと、心配されている方は多くいらっしゃいますが、医学的根拠に基づく証明はされていません。そのため、「可能性はゼロではない」としかお伝えできないというのが現状です。

【サイト監修】

サイト監修 Dクリニック東京 院長 安田 吉宏

安田 吉宏 Dクリニック東京 院長/医学博士/
日本専門医機構認定形成外科領域専門医

香川医科大学医学部卒業。北里大学大学院医療系研究科修了。
北里大学医学部形成外科、同大学救命救急センター助教、東京大学医学部客員研究員を経て現在に至る。
さまざまな頭皮疾患に対する最新治療を常に探究し、丁寧で分かりやすい診療で患者様から信頼されている。