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薄毛に効く薬とは?毛髪研究の専門家・小山先生が解説

小山 太郎

Dクリニック新宿 院長

小山 太郎(こやま たろう)

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0:17

川和真奈美さん・Dクリニック新宿 小山太郎先生登場

0:33

薄毛に効く薬

1:35

すぐに効果がほしい時

2:23

薬の入手方法

4:08

薬の副作用

※YouTubeページにリンクします

薄毛の悩みは、男女の別なく大きいものです。しかし薄毛に悩む人の救世主として、薄毛に効く治療薬が開発され、多くの人が治療を行っています。

今回は薄毛に効く薬にはどんなものがあるのか。どんな効き目や副作用があるのか。耐性の有無などを解説します。

薄毛に効く薬は「育毛剤」ではなく「発毛剤」!

薄毛に効く薬は育毛剤ではなく発毛剤!近くのドラッグストアに行くと、たくさんの「毛が生えるクスリ」が棚に並んでいます。そのような光景から、薄毛に効く薬と聞くと、「育毛剤」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。それは違います。

厳密には、育毛剤は「薬」ではありません。いま生えている髪の毛の健やかな成長を促す“栄養剤”のようなものです。薬機法(旧薬事法)では、育毛剤は「医薬部外品」となります。

それに対して、医学的に薄毛を改善する効果が証明されているものを、育毛剤に対して「発毛剤」と呼びます。発毛剤は、薬機法においては疾患や症状を治療・改善する「医薬品」に分類されます。

薄毛に効く薬には2つの種類がある

薄毛に効く薬には塗薬と飲み薬がある薄毛に効く薬には、いくつかの種類があります。とはいえそれほど選択肢があるわけではなく、大きく分けて2種類の薄毛に効く薬があります。

薄毛に効く薬(1)塗り薬:ミノキシジル

もっとも有名な薄毛に効く薬は「ミノキシジル」といわれる外用薬(塗り薬)です。ミノキシジルはいわゆる医薬品成分で、さまざまな製薬メーカーからミノキシジル製剤の外用薬がリリースされています。

ミノキシジルは、もともと血圧降下剤として開発された医薬品です。しかし、使用していると体毛が濃くなることが確認されたことから、薄毛の治療薬に転用されるようになりました。

かつては血管が拡張する作用から毛母細胞に多くの栄養素が行き渡るため発毛が促進されると考えられていました。しかし現在では、毛母細胞を直接刺激し、細胞分裂が活発化するために発毛が促進されるといわれています。

特に、頭頂部や前頭部の薄毛に高い効果が認められています。なおミノキシジルは、男性も女性も使用が可能です。

薄毛に効く薬(2)飲み薬:フィナステリド、デュタステリド

外用薬(塗り薬)のミノキシジルに対して、薄毛に効く薬としては内服薬(飲み薬)の「フィナステリド」と「デュタステリド」があります。どちらも医薬品成分の名前で、各社からさまざまな名前で商品がリリースされています。

フィナステリドとデュタステリドの薄毛治療メカニズムは、どちらも大まかには同じです。AGA(男性型脱毛症)の原因である男性ホルモンのジヒドロテストステロンは、5αリダクターゼという還元酵素が作用しています。フィナステリドとデュタステリドは、この5αリダクターゼのはたらきを阻害し、ジヒドロテストステロンの生成を妨げ、AGAの進行を遅らせるというものです。

ただし、フィナステリドは5αリダクターゼのII型だけに作用しますが、デュタステリドはI型とII型の両方に作用します。

薄毛治療は塗り薬と飲み薬の使い分けが重要!

薄毛治療は目的に応じて薬を使い分けよう以上のように、薄毛治療の薬には塗り薬(外用薬)と、飲み薬(内服薬)の2種類があります。この2つの薄毛治療薬は、以下の特徴があります。

・塗り薬(外用薬):ミノキシジル

「髪を生やしたい」という積極的な治療に効果がある。男性も女性も使用可能。

・飲み薬(内服薬):フィナステリド、デュタステリド

薄毛の減少を遅らせる「現状維持」の治療効果がある。女性には使用できない。

とにかく「髪の毛を少しでも増やしたい、早く発毛効果がほしい」という積極的な薄毛治療を望む場合は、塗り薬(ミノキシジル)を選択すべきと言えます。

また「今はまだ必要ないが、最近抜け毛が増えてきて心配だ」とか「これ以上薄毛を進行させたくない」という、予防や現状維持を目的としている場合は、飲み薬(フィナステリド、デュタステリド)を選択すべきと言えます。

とはいえ、「飲み薬で進行を遅らせ、塗り薬で増やしていく」という、長期戦と短期線の両方の戦法を踏まえ、併用することが理想です。心配な人は、AGA(男性方脱毛症)の専門医などに相談すると良いでしょう。

薄毛に効く薬はドラッグストアで購入できる?

ドラッグストアで購入できる薄毛治療薬もある薄毛にたいへん悩んでいる。でも、病院に行くのはちょっと怖いし、敷居が高い……。そう思ったとき、ドラッグストアで薄毛の治療薬が購入できるなら、すごくラクです。

でも、薄毛治療薬をドラッグストアで購入できるのでしょうか? その答えは「Yes」でも「No」でもあります。つまり、購入できるものとできないものがあるのです。

ミノキシジルなどの塗り薬(外用薬)は、「第1類医薬品」に該当し、薬剤師がいるドラッグストアで購入が可能です。
それに対してフィナステリドやデュタステリドといった飲み薬(内服薬)は、「医療用医薬品」に該当し、医師の処方箋が必要で、ドラッグストアで購入することはできません。

このように、薄毛治療薬は、タイプによってドラッグストアで購入できるものと、病院で処方されるものの2種類があります。

じっくりと薄毛治療の「長期戦」を想定している場合は、病院を選択し、医師と相談しながら内服薬と外用薬を併用して治療を行うのがいいでしょう。

それに対して「ちょっと薄毛治療にチャレンジしたい」というカジュアルな気持ちで治療に臨む場合は、ドラッグストアで市販薬を購入しても問題はありません。

薄毛の治療薬は、日本産がいい?外国産がいい?

リスクを考えると医薬品の個人輸入は控えるべし薄毛の治療薬は、日本産の医薬品と外国産の医薬品があります。「どちらの方がいいの?」と、悩む人もいます。

結論から言えば、日本産も外国産も、同じ医薬品成分が使われている限りは、効果は変わりません。どちらでも問題はありません。

ただし、中には「コストを少しでも抑えたい」とか「自分の好みの薬を使いたい」などの理由で、ネットの個人輸入サイトを通じて薄毛治療薬を購入しているケースもあります。それは非常に危険な行為なので、絶対にお勧めできません。

個人輸入の海外医薬品はリスクが高い!

というのは、ネット通販で購入する海外の医薬品は、正式な承認を得ていないものが多く、偽薬のトラブルが絶えません。

また、日本産の医薬品なら、もしもの時の相談体制や、「医薬品副作用被害救済制度」という制度も整備されています。しかし、個人輸入した医薬品に関しては何らかの医療事故が起こっても、「医薬品副作用被害救済制度」の給付対象になりません。

そういう意味で、「何かあったときのセーフティネット」的な意味も含め、基本的には日本産を購入して使用することをお勧めします。

薄毛に効く薬は副作用があるの?

医薬品なので薄毛に効く薬の副作用リスクはゼロではない薄毛治療薬は、塗り薬にしろ飲み薬にしろ、医薬品です。どんな薬でも、副作用リスクは「ゼロ」というわけにはいきません。

薄毛治療薬には、以下のような副作用リスクがあるとされています。

薄毛治療薬の副作用リスク(1):ミノキシジル

・初期脱毛
・皮膚炎
・動悸・息切れ
・多毛症
・肝機能障害
・むくみ
・めまい など

薄毛治療薬の副作用リスク(2):フィナステリド、デュタステリド

・性欲減退
・ED、抑うつ感
・食欲不振
・かゆみ
・じんましん など

ただし、これらの副作用は、中止すればすぐに解決する問題です。また薄毛治療の現場では、副作用が起こるパーセンテージは決して高くなく、比較的安心して使用できる医薬品といえます。

とはいえ、どんな医薬品にも効果や副作用には「個人差」があります。その意味において、(どんな医薬品にも当てはまることですが)正しい用法容量を守り、もし何らかの副作用が起こった場合、すぐに使用を中止して医師のアドバイスを受けましょう。

なお、フィナステリドとデュタステリドはホルモンバランスに作用する薬で、未成年の男性および全年齢の女性が服用すると副作用リスクが高いことが知られています。未成年の男性および全年齢の女性は、使用しないようにしましょう。

薄毛に効く薬は、使い続けると効かなくなる?

薄毛に効く薬は基本的に耐性がつくことはないとされる医薬品の中には、使用を継続していくと免疫が付いて効果が薄れてしまうものがあります。
薄毛治療薬の耐性については、現在のところ、あまり心配する必要はないと考えられています。
ただし、薬で薄毛の治療を続けている人の中には「昔ほど効果が感じられなくなった」と感じる人がいるのも事実です。それはどういうことでしょうか?

例えば、10年間同じ医薬品を使い続けているとしましょう。医薬品の効果は10年間変わらなくても、あなたの体の細胞や体組織は、10年間で確実に加齢が進んでいるのです。

髪のボリュームが減少するもっとも大きな要素は、加齢によるものです。加齢ばかりは、いくら健康的な生活をしようが、筋トレをしようが、全人類が抗えない領域です。

ですから、いくら薬を飲み続けているとはいえ、一番良かった頃よりも毛量は少し減ることは、ある意味、当然のことと言えます。それは、薬の耐性とは関係ないものです。

以上の理由から「早いうちから使い始めて、耐性がついて効き目が落ちるのが心配だから、若い頃から始めるのはやめておこう」と考える必要はありません。今の状況で薄毛で困っているのであれば、その時点から薄毛の治療を始めたほうが、薄毛の進行を緩めることができます。「気が付いたら、即行動!」がベストなのです。

薄毛治療薬は使い続けないと髪の毛は維持できないの?

薄毛の最大の原因は、加齢によるものです。薄毛が目立ち始める年齢やそのスピードには個人差がありますが、残念ながら、ひとたび薄毛が進行し始めると、薄毛が自然に回復することは絶対にありません。それは男性でも女性でも同様で、それが生物学的には自然なことです。

その意味では、薄毛の治療は薬の継続使用が前提にあり、薬の使用をやめた時点で、薄毛の進行が進むことになります。

ですから、「いつまでも髪の毛がある自分でいたい」と希望するのであれば、薄毛治療を続けていく必要があります。
ただ、薄毛は加齢による自然現象の一つであり、「病気」ではありません。確かに若い頃の薄毛は大きな悩みになりますが、90歳になってまでフサフサな髪の毛を求める人は、なかなかいません。このように、年齢を重ねるにしたがって、薄毛も気にならなくなる人も少なくないでしょう。

このように、年齢を重ねて薄毛が気にならなくなり「もう薄毛治療は必要ない」と感じたら、その時点で治療を止めてもいいと思います。薄毛であっても「こんな自分もいいな、アリかな」と、自分で思えることが大切なのです。

まとめ

いかがでしたか?

容姿に直結するため薄毛の悩みは、男女の別なく大きいものです。しかし現在は、薄毛に効く薬があります。薄毛は加齢に伴って進行するものです。もし薄毛に悩んでいるなら、少しでも進行が緩やかなうちに治療を始めましょう。

小山 太郎

この動画の解説者

Dクリニック新宿 院長

医学博士/日本抗加齢医学会専門医

小山 太郎(こやま たろう)

2001年 3月 慶應義塾大学 医学部 卒業
2001年 5月 慶應義塾大学病院 入職
2007年 3月 慶應義塾大学 大学院 博士課程 修了
2007年 9月 Brigham and Women's Hospital 入職
2009年10月 Dクリニック東京(旧 城西クリニック) 入職
2021年 6月 Dクリニック新宿 院長就任

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