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口臭改善はできる? できない? もう「ドブ臭い」なんて言われない方法

口臭改善はできる? できない? もう「ドブ臭い」なんて言われない方法

中川 種昭

慶應義塾大学医学部教授(歯科・口腔外科学教室)

中川 種昭(なかがわ たねあき)

「マスクの中がドブ臭い」「寝起きの口臭がキツくなった」……1日3回、きちんと歯を磨いていても、こうした口臭のサインに悩む人は少なくありません。それって一体なぜ?
口臭は、口腔内だけの問題ではなく、内臓やメンタルから発せられるSOSの可能性も。だから今すぐ自分の口臭やケア方法の見直しを。

口腔ケアのエキスパートである慶應義塾大学医学部教授・歯学博士 中川種昭先生に、口臭の意外な要因から爽やかな息を取り戻すためのお手入れ法まで、うかがいました。

嫌なニオイがするのはなぜ? 意外と知らない口臭の正体

そもそも口臭とは、口から息と一緒に出てくる嫌な臭いのこと。臭いの程度はともかく、体臭と同じように誰にでもあるものです。

「口臭が発生する要因はいろいろありますが、ほとんどが口腔内のトラブルによって起こるもの。歯の表面や歯と歯の隙間、歯ぐき、舌、頬の内側などに残った食べかすや剥がれた細胞に含まれるタンパク質を細菌が硫黄化合物に分解。そこから発生したガスが口臭の正体です」と中川先生。

この口臭の原因物質は、揮発性硫黄化合物といい、代表的なのは
「硫化硫黄」
「ジメチルサルファイド」
「メチルメルカプタン」
の3つ。

「中でもメチルメルカプタンは、他の原因物質と比べて6倍も臭いといわれています。日頃のケアで、いかにこの物質を抑え込むかが口臭予防のカギとなります」
(中川先生)

臭いがキツい人とキツくない人の違いとは?

臭いがキツい人とキツくない人の違いとは?

口臭の無い人はいないとはいえ、しっかり歯を磨いてもすぐに臭いを放ってしまう人もいれば、適当に歯を磨いていても口臭が気になりにくい人もいます。それは一体なぜなのでしょうか?

「たとえば、もともと唾液が出にくい人は、臭いの原因物質を洗い流しにくいため、口臭が発生しやすくなります。また、口腔内の菌の中でも特に臭いを出す菌を多く持っている人なども、口臭が強くなりがちです。細菌叢には多少の個人差があるので、こればかりは仕方のないこと。受け入れて適切に対処していくことになります」
(中川先生)

口臭の発生源はからだの中にも潜んでいた!

口から嫌な臭いが発せられてしまう原因は、大きく分けて2つ。ひとつは生理的要因によるもの、そしてもうひとつは病的要因によるもの。

「生理的口臭というのは、舌の根元、歯の表面、歯と歯茎のすきまにいる細菌が主な原因です。朝起きた直後の強い臭いなどがこれにあたり、歯磨きや食事によって臭いは減少します。
それに対して病的口臭は、虫歯や歯周病といった口の中の病気に加え、耳鼻咽喉や呼吸器の疾患、糖尿病などが発生源となる口臭のこと。オーラルケアをしっかりしても臭いが改善されない場合は、こうした疾患を疑います」
(中川先生)

ちなみに、フーッと息を吹きかけて口の中のニオイをチェックする市販の口臭チェッカーは、口腔内のトラブルから発生する悪臭のもと「揮発性硫黄化合物」の量で口臭の程度を判定しているそう。

つまり、内臓疾患などその他のからだの不調に起因する臭いには反応しないため、口臭チェッカー判定がバッチリなのに“まだニオイが気になる”という人は、からだからSOSが発せられているのかもしれません。

今すぐ改善したい! 口臭がキツくなる悪習慣

今すぐ改善したい! 口臭がキツくなる悪習慣

歯磨き不足で口臭が強くなるのは当たり前ですが、口臭を悪化させる原因は他にもあることは意外と知られていない様子。

「強いストレスにさらされたときや、体調が優れないときは、自律神経のバランスが乱れ唾液が出にくくなります。緊張したときに喉が乾くのはこのため。唾液は口腔内の黴菌を洗い流す自浄作用があるため、少なければ少ないほど臭いが強くなるのです。

 

さらに、生活習慣が乱れがちな人も、口臭が悪化しやすくなるので要注意。 「寝不足などリズムの悪い生活を続けていると、口臭は悪化しやすくなります。それは、不規則な生活の中では、歯をちゃんと磨くことができなくなるから。疲れたからと適当に歯を磨いて寝てしまえば、寝ている間に口腔内の細菌が繁殖。細菌は唾液の循環の悪い、寝ている間にどんどん増殖していくため、朝の口臭がいつも以上に強くなるのです」
(中川先生)

爽やかな吐息は1日4回の「うがい・歯磨き・舌清掃」がおすすめ

爽やかな吐息は1日4回の「うがい・歯磨き・舌清掃」がおすすめ

口腔内の菌は、放っておくとどんどん増えていくもの。ゼロにはなりませんが、極力少なめで、質の良い菌が多い状態にすることが理想です。とは言え、もともと持っている口腔内の菌の質はなかなか簡単には変えられないもの。だからこそ、「うがい・歯磨き・舌清掃」でクリーンに保つことを心掛けましょう。 「生理的口臭も、病的口臭も、徹底的に抑え込むためには、口の中を清潔にすることが重要です。そのうえで、病的口臭の場合は、口腔内が原因なら虫歯や歯周病の治療を、その他からだの疾患が原因なら、病気の治療を速やかにおこないましょう。口の中を清潔に保つには、毎食後の歯磨きは基本ですが、口臭が特に気になるなら、寝る直前にもう1回磨く「1日4回」が理想。さらに、舌についている黄色い物質はほぼ細菌なので、歯ブラシの脇腹や舌ブラシで軽くこすって汚れを取り除く習慣をつけると、口臭予防に効果的です」
(中川先生) ただし、舌には味覚を感知する大事なセンサーがあるので、こすりすぎは厳禁。1日1回まで、優しいブラッシングを守りましょう。 ちなみに舌清掃は、「オエッ」となるのがイヤで習慣にできない人も少なくありませんが、息を止めて前かがみ気味におこなうと、舌の奥まで磨いても気持ち悪くなりにくいので、ぜひお試しを。

爽やかな吐息は1日4回の「うがい・歯磨き・舌清掃」がおすすめ

「仕事中や来客中、口臭が気になるときには、緑茶を飲むと一定時間、臭いを抑え込むことができます。緑茶に含まれる“茶カテキン”は、臭い物質をキレートしてくれるので、一定の時間は臭いをマスキングしてくれます。人と話していて口臭が気になるなら、飲み物を緑茶にしてみましょう。また、唾液を出させたり歯垢を落とすという意味では、ガムを噛むことも有効。もちろん、抗菌効果のある成分を配合した洗口剤を使うのもいいでしょう」
(中川先生)

 

嗅覚は五感の中で唯一、脳にダイレクトに働きかける感覚。初対面で強烈なニオイを放ってしまえば、とたんにあなたの印象を微妙なものにしてしまいます。だから出会いの季節の今こそ、しっかり口臭対策。爽やかな息で好印象を勝ち取りましょう!

(文・坂井七緒美)

中川 種昭

この記事の監修

慶應義塾大学医学部教授(歯科・口腔外科学教室)

日本歯周病学会 理事/日本口腔科学会 評議員/日本抗加齢医学会 評議員

中川 種昭(なかがわ たねあき)

1979年 慶應義塾高等学校卒業 
1985年 東京歯科大学卒業
1989年 東京歯科大学大学院修了
1990年 東京歯科大学 助手(歯周病学講座)
1996年 東京歯科大学 講師(歯周病学講座)
1997年 University of Washington(Seattle,USA) Visiting assistant professor
1999年 東京歯科大学 講師(復職)
2001年 東京歯科大学 教授
2002年 慶應義塾大学医学部 教授(歯科・口腔外科学教室)

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