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将来的にアトピー性皮膚炎の予防ができる? 「ワセリン」って一体どういうモノ?

将来的にアトピー性皮膚炎の予防ができる? 「ワセリン」って一体どういうモノ?

竹中 洋史

Dクリニック東京 医師

竹中 洋史(たけなか ひろし)

米科学誌(電子版)に25日、理化学研究所などのグループが、保湿剤の「ワセリン」をあらかじめ皮膚に塗ればアトピー性皮膚炎の発症を抑えられる可能性がある、と発表しました。ワセリンは病院や皮膚クリニックでは乾燥や肌が敏感な人、アトピー性皮膚炎の患者の対症療法のひとつとして知られていますが、ワセリンとは一体どのような効果のあるモノなのでしょうか。

ヘアメディカルグループのメンズヘルスクリニック東京の竹中洋史先生に、ワセリンの効果について聞いてみました。

肌のバリア機能を高める保湿剤

将来的にアトピー性皮膚炎の予防ができる?  「ワセリン」って一体どういうモノ?

肌の構造について少しお話すると、肌の水分保持能力の低下や外的刺激物が肌の中に入ると、バリア機能が正常に働かなくなります。すると、乾燥や肌荒れを発症します。その対処法として、保湿剤のワセリンを処方するクリニックは多いですね。

とくにアトピー性皮膚炎ともなると、ステロイド外用剤やプロトピック軟膏で治療することが一般的ですが、刺激が少ないワセリンは、低下した肌の水分量を改善し、皮膚のバリア機能を回復させ、湿疹の再燃予防とかゆみの抑制効果があります。また、抗炎症作用のある外用薬で皮膚炎の症状がよくなったあとに、ワセリンなどの保湿剤を塗ると安定した状態が長く続くと考えられています。

ワセリン

皮膚表面に油膜を張り、肌の中の水分の蒸発を防いだり、外的刺激から皮膚を保護します。また、化粧品クリームの基材としても使用されています。テクスチャーもしっかり保護するための重いものからベタつきが苦手という人向けの軽いものまで、ブランドによっていろいろな種類があります。ニーズや好みに合わせて選んでください。

ワセリンには種類がある

ワセリンには石油由来の不純物が含まれていて、純度の違いによって「黄色ワセリン」「白色ワセリン」など種類が分かれています。精製度が低いものが黄色ワセリンで、それをさらに精製した純度の高いものが白色ワセリンです。純度が高いほど肌に対する刺激も少ないといわれています。また、特に純度が高いものはプロペトや、サンホワイトで、アトピーの人や赤ちゃんなどデリケートな肌の人にも使用できます。

ワセリンに副作用はある?

「石油が原料」というと、ワセリンの副作用を心配する人もいるかもしれません。しかし考えてみれば、石油自体、本来は天然由来の成分です。皮膚への塗布という一般的な使用の場合は、アレルギーを含む副作用はほとんど心配ないとされています。しかし、肌の弱い人が純度の低いワセリンを使用すると、かぶれなどのトラブルが起きることもあります。心配な人は、可能な限り純度の高いワセリンを使いましょう。また、あらかじめ少量を塗布し、パッチテストをしてから使用しましょう。

ワセリンの正しい使い方

皮膚が清潔なときに塗るのが効果的なので、お風呂あがりに使用することをおすすめします。日中は洋服や汗などで落ちてしまうこともあるため、1日に2〜3回こまめに塗りましょう。顔はもちろん、首、腕やひざ裏など、身体全体に使用できます。

保護するから予防する機能へ

今回の論文で注目された点は、「ワセリンを事前に塗ることでアトピー性皮膚炎の発症を抑えられるという可能性がある」という点。現段階ではワセリンは「アトピー性皮膚炎の予防にはならない」と考えられているところを、「事前ケアで予防できる可能性がある」と予防医学としての可能性を見出したというわけです。

親がアトピー性皮膚炎であった場合、遺伝的に子どもが発症するケースがありますが、事前ケアすることで発症を極力抑えることができるという知見は新しく、今後の研究に期待したいと思います。

竹中 洋史

この記事の監修

Dクリニック東京 医師

日本皮膚科学会認定専門医/日本アレルギー学会会員

竹中 洋史(たけなか ひろし)

順天堂大学大学院医学部皮膚科・アレルギー学講座卒業。
順天堂大学医学部皮膚科・アレルギー学助教を経て現在に至る。
最新の発毛知識・皮膚疾患知識の吸収を欠かさず、分かりやすい明快な説明を心がけている。

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